時の狭間で

雪ん子 

2015年01月31日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

雪ん子たちは
一夜の世界を舞い始めます
空から右へ ひらりひらり
左へ ひらりひらり
上下に ひらりひらり
ゆっくり風の流れに任せて
一夜の夢を踊るのです

雪ん子は
銀世界の中でしか
我が身を保つ事が出来ません
雪ん子の夢は
長く長く空間に留まるように
風のままに踊り続けるだけなのです

積もらぬ雪だと
地に落ちた瞬間に虚しく消えてしまう
束の間の時間を惜しむように
ひらりひらり
混信の想いを込めて
ひらりひらり

時々積もる雪の群集が押し寄せて来ます
想いなんて
夢なんて見れない程
どんどん急かされて
地上に降り立つのです

真白き地上には
踏みつけられて氷になってしまった
雪ん子が横たわります

次から次へと 
どかどかと押し寄せてきます
もっと踊って居たかったね
もっと流されて見知らぬ街も見たかったねと
口々に小さな吐息が漏れてきます

雪ん子の夢は
天から地への道筋で
華麗に踊って降りたかった
人間の心が少しでも
濁りの無かったあの頃を取り戻せますように
願いを込めて
舞い踊りたかった

そんな些細な夢が
雪ん子には最大な願いなのかも知れない



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