明るく楽しく

ある男の生涯 

2014年01月07日 ナビトモブログ記事
テーマ:私小説

第一章 幼児期(2)
 やがて戦争が終わり私たちは母の実家に住むことになった。母の両親と母の弟が住んでいて、我々3人の6人の生活が始まった。父は東京で仕事をしていた。

そんなある日近所におませな女の子がいて私を彼女の家に連れて行った。
彼女の家は私たちの家の真南にあり大きな家であった。

彼女の家にはその時誰もいなく私にある事を要求した。
言われるままに下半身を裸にして彼女の下半身の陰部に私の陰部を接触する事であった。
そんな行為をしていた時玄関の方でガヤガヤと子供達の声が聞こえた。私達は慌てて下半身を裸にしたまま押し入れに逃げ込んだ。
だが子供達に(彼女の兄と友達)ふすまを開けられ私達は彼らの前に引き出され散々冷やかされ、軽蔑され、笑われ、ひどい言葉を投げかけられた。

私は彼らの嘲りの声を聞きながら家に帰った。
その時私の心の中で「俺はもう駄目だ!」と叫んでいた。
暫くしてまた彼女があの行為を我が家の便所(外にあった)の横で私にせがんだ。
そんな行為をしていた時母に見つけられ、母は呆れ果てそんな事はしてはいけませんとだけ言った。
それ以来彼女と会うことはなくなり私は解放された。

私は泳いだことがなかった。家のそばに川があった。
広い川であったが流れは幾つかの細い流れがあった。
その流れの一つに堰堤がありその下が深くプールの様になっていた。
子供たちはその堰堤から楽しいそうに飛び込んでいた。
私はただ見ていただけであった。
その時お前も飛び込めよと言われ何も考えずに飛び込んだ。
泳いだことがないのであるから当然溺れてしまった。
もう生きた心地もなくバタバタとやるだけだった。
子供達は面白がって私の下に潜り足を引張て深みに引きずり込むのであった。
私はガブガブと水を飲み死の恐怖におののいた。
そんな時大きな子が泳いできて私を助けてくれた。
陸に上げられ水を吐き出されて私はホッとした。
その中学生はこの事は家の人には言うなと言ったのと、
家に帰ったら塩水を飲めと言う事だった。
溺れた事で水に対する恐怖心(トラウマ)が生育しなかった事は何よりであった。

やがて地元の小学校に入学した。
担任は女性で好みのタイプの顔でなく多少ヒステリックであったので好きになれなかった。

ある日授業中に腹が痛くなった。
早めに手を挙げて「先生便所!」と言えなくギリギリまで我慢した。
そして我慢できなくなり何も言わずに教室を飛び出し便所目掛けて走り出した。
だが時遅く途中で最悪の状態になった、漏らしたのである。
どうしていいか分からず教室に戻ってきた。
青ざめた顔と匂いで先生が気が付きクラスの誰だかに
私の家に下着を取りに行かせた。
その後の事はあまりはっきりと覚えていない。
ただその時もあの言葉「俺はもう駄目だ!」と心の中で叫んでいた。

             続く第二章 少年期



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