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パトラッシュが駆ける!
袖摺り合った仲だもの
2013年06月28日
テーマ:テーマ無し
結婚祝いに、何を贈ろうか・・・
これに悩んでいる。
そもそもが、薄い縁なのである。
これまでに、二度会っただけだ。
住んでいるところも、遠い。
手紙の中に「この度、結婚しました」と、書いてあった。
つまり、事後報告であり、嫁さんが、どんな人なのかも知らない。
「おめでとうございます」の、手紙一つ、出せば済むことだ。
それは承知の上で、しかし、何かを贈ってやりたくなっている。
お金・・・
いかにも安易だ。
私は、義理を果たそうとする、わけではない。
品物の方がいい。
しかし、適当なものが、思い浮かばない。
普通の新婚生活とは、少し違うはずだ。
両親との同居になるだろうから、ペアの食器というのも、憚られる。
“旧家”であり“大きな家”なのだから、家庭用品なら、
何でも揃っているだろう。
ひょいと思い付いたのが、酒だ。
私が、著書を送る度に、お返しの意味だろう、あちらは、
酒を送ってくれた。
酒の嫌いな人が、酒を寄越すわけがない。
まだ一緒に飲んだことはないが、きっと行ける口だと思う。
清酒を二本、箱詰めにし、それに手紙を添えて、送ることに決めた。
* * *
東京と言うところは、何でもある代わりに、これはと言う特産品がない。
地方の人に、何かを送ろうとすると、何時も考えてしまう。
特に、食べ物は、田舎の方が豊かだ。
その地ならではの名物が、必ずある。
東京にだって「浅草海苔」がある。
「雷おこし」がある「佃煮」があると、こう言う人も居る。
その、どれもこれもが、私には魅力ある特産品と思えない。
酒だって、そうだ。
東京にも、造り酒屋があって、そこそこの酒を出している。
しかし、自信を持って「これは東京名物です」とは、言いにくい。
そこそこは所詮、そこそこなのである。
* * *
歳は、四十に近い。
彼を訪ねて行った時に、両親が挨拶に出たものの、嫁さんの姿がなかった。
珍しい話ではない。
四十で、結婚していない男なんか、今時ざらに居る。
ついでに、女だってそうだ。
「澄んだ秋空のように、爽やかな人だ。将棋の屋敷伸行八段に似ている。
あの人も、穏やかな笑みを、常に絶やさない人だ」
私は、かつて、自著の中で、彼のことを、こう語った。
誠実で、真っ直ぐで、男が惚れたいくらいの人だ。
その彼が、独身で居る。
いっそのこと、この私が、やってやろうかと思った。
月下氷人の役をである。
「○○さんのところの、K子ちゃんなんか、どうだろ?」
「無理無理、絶対無理です。島根のお寺に・・・と言っただけで、
首を振ります」
「いい男なんだけど」
「あなたは独身者と見れば、すぐに、結びつけたがるけど、
そんな簡単なものじゃありません。大体、今までに、まとまった話があるの?」
「・・・・・」
妻に言われると、私は反論の余地がない。
ここでも、やぶ蛇になってしまった。
しかし、その通りだ。
結果が全てだ。
今回だって、余計な努力は、しなくて良かったことになる。
* * *
私は二年前、四国の遍路道で、若いお坊さんに会い、
しばらく一緒に、旅をした。
それが、彼である。
寺は、津和野にあり、いずれはそこを継ぐことになると言った。
旅を終えた後も、手紙のやりとりは、続いている。
墨痕鮮やかな封書が来ると、名前を見なくても、すぐに彼とわかる。
私も毛筆で・・・と行きたいが、それは無理だ。
でも対抗上、ワープロではなく、ボールペンを用い、手で書いている。
それだけのことだ。
肝胆相照らす・・・なんて仲ではない。
友人と言うには、歳も離れている。
にも拘らず、繋がっている。
この辺のところが、よくわからない。
根底に、共通の体験があるから・・・かもしれない。
その体験と言うのが、異例であった。
歩いて四国を一周する・・・
自分で言うのも、変なものだが、滅多にないことをやってしまった。
旅の中の旅と、こう言えるかもしれない。
あれに比べると、その後の旅が、どれもこれも、
色あせて見えて、仕方ない。
同級生のような、ものかもしれない。
遍路という、ちょっと苦労の多い、学校のである。
同級生だから、そりゃ、会えば懐かしい。
それが結婚したとなれば、何かをしてやらねばならない。
そう言うことだと思われる。
* * *
「そんなら、これなんか、どうでしょう」
隣りの酒屋に、わけを話したら、さすがに商売だ。
いい酒を出してくれた。
「満寿泉」と「〆張鶴」
寿に鶴である。
明日にはもう、着くと言う。
おっと、いけない。
酒ばかり考えていて、肝心の手紙を忘れている。
少しは、気の利いた祝いの言葉を、添えたいのだが、
上手く書けるだろうか。
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地酒
我太郎さん、こんにちは。
東京都は横に長く、山梨との県境は、山です。
「澤の井」「多摩自慢」などの地酒があります。
それも悪くはなかったのですが、結婚祝いには、どうかと思い、敢えて、「めでたい名前」にこだわりました。
2013/06/30 11:30:02
贈り物
著書で取り上げるくらいで有れば祝いの言葉だけと言うのはでしょう
名案が浮かびめでたしです
困った時には、相手さんがお気に入りの品を選べるカタログってのも有り、付き合いの程度が浅ければ重宝だとお思います
東京で造り酒屋さんは思いつかなかったです
もうお酒に適する水は無いと勝手に思い込んでいました
2013/06/30 08:14:13
足腰
mickeyさん、こんばんは。
今回は、上手く決まりました。
たまたま、あちらも酒飲みで、よかったです。
行き倒れには、滅多になりません。
(張り切り過ぎなければ)
宿も、適当な間隔でありますし、いざとなれば、誰かが助けてくれますし・・・
でも、足腰は、鍛えておかれた方が、何かとよろしいですね。
2013/06/28 21:01:00
相手にぴったりで
送る側も納得がいく贈り物が決まったときは嬉しいものですね。
四国のお遍路さん完全リタイアしたら行こうと思っていますが、足腰を鍛えておかないと行き倒れ〜になるのではと心配です。
2013/06/28 18:22:40
呑兵衛の思いつくのは・・・
喜美さん、
聞くことが出来る人なら、悩まないのですがね。
聞けば、遠慮してしまう人なので、それで困っておりました。
ともかくも、名案が見つかり、ほっとしています。
2013/06/28 15:11:41
いい考えでしたね
お祝い本当に悩みます 親しい人には
聞くこともできるし お金も簡単ですけれど大金送らなくていい人には困ります
おめでたい名前のお酒 良かったですね 私は飲まないので考え付きませんでした
2013/06/28 13:51:17