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パトラッシュが駆ける!
困ったもんだ
2013年01月25日
テーマ:テーマ無し
「先生のところで、碁を教えて頂くようになって、
半年が過ぎました」
「早いもんですね」
「果たして、強くなってるんでしょうかね、私は・・・」
「棋力は上がっているはずです」
「それがどうも、成績に結び付かないのです」
「相手もあることですし、そう簡単に、
連戦連勝とは行かないでしょう」
私は、小さいながら、囲碁サロンの主だ。
希望者に碁を教え、僅かだが、お金をもらっている。
そうすると、こう言うことが起きる。
効果のさだかでないものに、そりゃ、お金は払いたくないであろう。
でもね、それを、教える側に聞かれても困るんです。
「いやなら、やめちまいな」
これを言ったら、おしまいであろう。
「そりゃ、教わる側の、努力不足です」
言いたいのは山々ながら、ぐっと飲み込んでいる。
「囲碁は、実戦でも、研究でも、それに費やす時間が長い人ほど、強くなるものです」
遠まわしに、こう言うくらいだ。
「私の任務は、補助エンジンです」
我ながら、うまい言い訳を思い付いたものだ。
メインエンジンは、生徒さんで、それが頑張ってくれなければ、
ロケットだって、高くは飛ばない。
「今後とも、よろしくお願い致します」
「こちらこそ」
帰って行った。
不満なら、もう来ないであろう。
それはそれで、仕方のないことだと思っている。
* * *
教える側だって、気楽そうに見え、これで結構、大変なのだ。
生徒さんによっては、同じ間違いを、何度でも繰り返す。
「前に言ったはずです」
つい、語気が荒くなるのを、ぐっとこらえている。
碁を教えるのに必要なもの、それは技術ではなく、忍耐力だと思っている
噛んで含めるように教え、それが身に付くのを、待つよりない。
私は、小学生達への指導を始めてから、それを学んだ。
この短気人間が、よく変わった、変われたもんだと思っている。
忍耐強くなっている。
私自身の、人間形成に役立っている。
となれば、謝礼を払うべきは、むしろ、こちらの方かもしれない。
* * *
「すみません。詰碁を教えて頂けますか」
「いいですよ」
何処かの囲碁教室に通っている、これは、別の生徒さんである。
つまり、私のサロンと、二股をかけている形になる。
その一方の股から、宿題を出されたと見える。
それが難問なのだろう、プリントを抱え、私のところへやって来た。
さながら、塾の宿題を、家庭教師に解いてもらうようなものだ。
どうせ、級位者への問題だ。
さっさと解いて、さすがに先生だと言うところを、見せねばならない。
問題を碁盤に並べ、片端から解答を示して行った。
「おかしいな、これは。どっちに置いても、死ぬな」
「じゃあ、一着目は、こちらにしときましょう」
「いや、待って下さい。答えが二つあるわけがない」
「すみません。変な問題を持って来て」
帰ってから気付いた。
黒のアテに対し、白がつがずに、コウで粘る手が、
あるのであった。
まったく、どうかしている。
詰碁の初歩ではないか。
「コウ」はつまり「死」ではない。
従って、正解ではない。
えらいこっちゃ・・・
慌てて電話をかけた。
しかし、こんな時に限り、出ない。
あのまま彼、あちらの教室に、回ったのではあるまいか。
正解を示され、さぞ驚いたであろう。
何だ、あの先生はと、呆れたに違いない。
困ったものだ。
私は、級位者の問題も、解けなかったことになる。
問題を、甘く見てしまった。
もっと真剣に、向き合わねばいけない。
生徒さんが耳元で、ああだこうだと、手順を呟いていた。
でも、それに惑わされた私が悪い。
生徒さん、次の週も、変わりなくやって来た。
来てくれたと、こう言うべきだろう。
「申し訳ない」
平謝りするよりない。
「今後は気を付けます」
「まあ、そんなにおっしゃらず」
生徒に慰められている。
持つべきは、忍耐力のある、生徒だなあと、
つくづく思わされている。
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