メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

パトラッシュが駆ける！

居眠りばかり　

2010年06月04日 外部ブログ記事
テーマ：テーマ無し

午前８時。
NHKの朝ドラを見ながら、朝食。
これがもう、長年の習慣になっている。
所帯を持って以来だから、４０年近い。


以前は８時１５分からであった。
最近、放送時間が変更になったので、それに合わせ、
我が家の朝食時間も変えた。
さらに早まるようだと、私は、起床時間から、繰上げねばならない。


今回は「ゲゲゲの女房」
漫画家夫婦の日常が、過不足なく描かれていて、面白い。
彼ら二人、よく食べて行けるなと、感心するくらいに貧乏だ。
ただの貧乏物語だと、辛くなってしまうが、前途に光明が見えるから、
笑って見て居られる。
朝ドラは、明るい方がいい。


時代は、昭和４０年代初めと思われる。
舞台となる家屋やその造作、背景となる、商店街の店構えなどが興味深い。
さすがにNHKだ。
時代考証に耐えられるようにと、懸命に、セットを組んだのであろう。


年代モノの家具や電気製品に混じって、鍋やヤカンなどの、
金物類が出て来る。
そうすると、私の出番だ。


「あの型のヤカンは、当時まだ、世に出ていなかった」
「鍋の取っ手に、ベークライトが付いたのは、もう少し後の時代だ」
間違いを見つけては、指摘する。
他に聞いてくれる相手が居ないから、仕方ない。
妻に言う。
「はあ、そうですか」
また始まったとばかりに、妻は首をすくめる。


「おっ、ハンガーボードだ」
「あら、ほんと、珍しい」
「ずいぶんと売ったもんだ」
「よく使いました」
やっと話が合った。


パルプを圧縮した、薄いボードに、点々と穴が開いている。
これを壁に取り付け、フックや小棚を、その穴に引っ掛け、
調理用品などを、置いたりぶら下げたりしたものだ。


多くの家庭で、重宝がられたものだが、見てくれは二の次だった。
各家庭のキッチンが整えられ、スマートになるにつれ、使われなくなり、
やがて姿を消した。
NHKの小道具部、よくぞ、過去の遺物を見つけ出したものだ。


　＊　＊　＊


９時。
「金物屋さんですか」と電話があり「駅前の交番ですが」と名乗った。
一瞬緊張するが、ナニ大したことはない。
「コーキングってものを、扱ってますか」
「はい。置いてあります」
これで終り。


金物屋を探しあぐねた客が、交番に駆け込んだと思われる。
これが不思議なのだが、最近の交番は親切だ。
店の在り処を教えるばかりでなく、電話までかける。
客の求める商品が、あるかないかまで、問い合わせてくれる。


そんなヒマがあったら、近くに止まっている、違法駐車でも摘発した方が、
よほど世のため、人のためになると思うのだが。


急いで店を開け、居眠りもしないで待っていたが、
結局、その客は現れなかった。
この辺が、よく分からない。
交番に駆け込んだものの、急に気が変わったのかも知れない。


それにしても、金物屋が減った。
交番に備えてある一覧表には、金物店＝私の店が書かれていると見える。
今や、希少価値だ。
私用で私の家を訪ねる客に、くどくどしい案内は、要らない。
駅で降りたら、さっさと交番に行けばいい。
金物屋と言えば、すぐに教えてくれますよと、こう言ってやろう。


　＊　＊　＊


１０時。
しきりに悩んでいる。
急遽今晩、芝居を見に行こうかと思ったのだが、決断がつかない。


歌舞伎座が閉鎖となって、一月が経つ。
私は、月に一度、芝居を見ることにしている。
５月は、新橋演舞場で、若手の歌舞伎を見た。
６月は・・・
予定が立っていない。
頼みの演舞場は、藤山直美と西郷輝彦の喜劇だ。
幹部級の俳優は、それぞれ地方へ散っていると見える。


先ほど、ネット上の、歌舞伎関係の掲示板に、掘り出し物を見つけた。
渋谷のコクーン劇場にて、｢佐倉義民傳｣が上演される。
本日三日が初日で、主演は中村勘三郎。


一等席のチケット、１３５００円を、９０００円で譲りますとある。
１８時開演だ。
時間が切迫しているからだろう、安い。
雑事を全部片づければ、早仕舞いして、駆けつけられないことはない。
さあ、どうしよう。


　＊　＊　＊


１１時。
タイガー不動産が、買い物に来た。
支払いを終えてから、彼、喋り始めた。
最近になって、中学生の孫が、商売を継ぎたいと言い出したとか。
「娘は、宅建の資格を持っているけど、商売はやらない、後は継がないって言ってる。
そこへ孫がやりたいと言い出したんだ」
後継者が出来るとなれば、こんな嬉しいことはないはずだ。
タイガー氏、渋い顔をしているけれど、心の中では、
「やったー」と叫んでいるのではあるまいか。


「いいじゃないですか」
私がその意を汲んで、孫を褒めてやったのがいけなかった。
家族のことを、次々に語り始め、去年九十九歳で死んだ、
母親のことにまで及んだ。


＊ ＊　＊


１２時。
先ほどの掲示板に行ってみたら、件のチケットが、もう見当たらない。
遅かりし由良之助だ。
しかし、諦めが付いて、さばさばする。


テレビを見ると、昨日から、鳩山辞任のニュースばかり。
今日は、後継者選びに焦点が移っている。
昼食後は、居眠りばかり。


１５時４５分。
近くの児童館へ行き、子供達に囲碁を教えた。
帰ってから、急な配達が一件。


後はまた、居眠り。
全て世はこともなし。
ゆっくりと日が暮れて行く。
]]>

>>元の記事・続きはこちら（外部のサイトに移動します）




<< 前の記事へ　／　次の記事へ >>
記事一覧を見る

この記事はナビトモではコメントを受け付けておりません

PR







上部へ