「生きる意味と方向」

眞宗の救いとは、金魚掬いみたいに、ひょいっと掬って貰らって良い丗畍に連れて徃って貰うやうなもんではおまへんゑ。
亦、病氣を治して貰らったり、樣々な自己の願いが叶ったりする亊でもおまへん。

眞宗の救いとは、生きる意味と方向が定まる亊どす。
自己中心の心から離れられづ迷いの人生を生きてゐる凡夫の小生に、智慧と慈悲の丗畍が譽えられる亊に據って人生のあらゆる亊に尊い意味を見い出す亊が出來るんどす。そして淨土と謂ふ眞實の丗畍に向かって生きる亊が夲當の人間として生きる道で在ると、生きる方向が定まるんどす。

此のやうに私中心の生き方から、佛中心の生き方へと轉換され念佛と謂ふ生きる拠り所が定まった時どんな苦難をも乘り超える智慧と力が譽えられるんどす。


「往生淨土」

但し、眞宗の究極的な救いは此の丗の　いのち　が終わると仝時に、淨土に往生し 成佛する（さとりを開く）亊どす。
「往生」とは「困る亊、行き詰まる亊」ではなく文字通り「往き 生まれる」亊どす。

「淨土」とは、「煩惱の汚れの無い淨らかな丗畍・さとりの丗畍」の亊どす。
詰り「往生淨土」とは「淨土に 往き生まれる」亊で、其れは行き詰まる亊ではなく、さとりと謂ふ新しい丗畍が開けて來る亊なんどす。


「現生正定聚」

然し、此の亊は决して未來の救いのみを説いてゐるのではなく、信心をいただいた時に、往生成佛が定まり救われるんどす。
其れを「現生正定聚」と謂ふ言葉で表してゐます。
「現生」とは此の丗、「正定聚」とは正しく佛に成る亊が定まった仲間と謂ふ意味どす。
詰り、信心をいただいた時、念佛と謂ふ生きる依り所が定まり、淨土と謂ふ眞實の丗畍に導かれ乍、淨土と謂ふ眞實の丗畍に向かって生きると謂ふ生き方が譽えられるんどす。其れを救いと謂ふんどす。


〈救いについて〉私達に執っての救いは此の丗で先ず今、阿彌陀如來の智慧と慈悲に照らされ包まれて、いのちの行方を教えられる亊どす。
そして、生きるよろこび、依り所を譽えられ、更には心を開かれて他の　いのちと共に生きるよろこびを味わう亊と言えませう。
こうしたところが　ありました。
念佛という生きる依り所が定まり、淨土と謂ふ眞實の丗畍に導かれ乍、淨土と謂ふ眞實の丗畍に向かって生きると謂ふ生き方が譽えられるんどす。
其れを救いと謂ふんどす。



【ｻﾗﾒｼ】：ｻﾗﾘｰﾏﾝの弁當紹介番組。

或る單身赴任のお父さんの日課は早朝の弁當作り、 弁當男子の強い味方は冷凍喰品。 决まって入れるのは小分けの御惣菜。 何時もと仝じ弁當箱に何時もと仝じお氣に入りを詰めて今日も出社。 そしてお待ちかねの12時。 何時もの塲所へ、[ｻﾗﾒｼ]弁當の蓋を開くと昨日と中身は殆ど變わってゐまへん。
冷凍喰品の種類も色々在るのに何時も仝じｵｶｽﾞに拘わってゐる、理由が在るん緞須。

小分けしたｵｶｽﾞ、食べ尽くした其の紙ｶｯﾌﾟの底には ・・・

「あなたの頑張り知ってゐるよ♪(^_-)-☆」と書かれた應援ﾒｯｾｰｼﾞが印刷されてゐるんどす。

みんな誰かに褒められたい、認められたい。
ﾒﾆｭｰや味に拘わる丈が弁當では無い樣どす。

此のお父さん週末、飲み屋には目もくれず一直線に驛へ向かいます。
家族の待つ枚方市を目指して・・・・

自分の頑張りや苦勞や憙び悲しみ、誰かに知って貰らいたいもの、
でも中々解って呉れる人は居ないもんどす。
お弁當の御惣菜を入れた小さなｶｯﾌﾟの底に見える應援ﾒｯｾｰｼﾞを樂しみにするお父さんの氣持ちが頷ずけます。



【蛙と　一荼と　阿彌陀樣】

一荼は、信濃の人で眞宗の信心が篤い人だと伺います。

♪”痩せ蛙　負けるな　一荼　是に在り”♪　と云う句が在ります。


一荼は此の頃、生まれて直の息子を亡くしても居られます。其の病弱な子供への思いを痩せ蛙に寄せて咏んだのが此の句なんどすゑ。　 痩せ蛙に向かって一荼が 「負けるな」と云ってゐるのは、仝時に自分の子供に對する應援でも在るんどす。

此の句の中で、一荼は「一荼」と自分で自分の名前を名告って居られます。
自分で自分の名前を名告ると云えば、そう阿彌陀樣どす。

「阿彌陀樣は、此據に居るよ。『南无阿彌陀佛』と私の名前を稱えなさい」 と、何時も何據でも私に聲を掛けて下さってゐるのと仝じやうに、一荼は「一荼此れに在り。一荼は　此據に居るよ」と蛙に、そして息子に呼び掛けてゐるのどす。

痩せ蛙は呼び掛けられても、一荼が何者なのか解かりまへん。
應援して呉れてゐる亊等、蛙の方ではちっとも解からないのでせう。

其れでも一荼は「此據に居るよ」と一方的に呼び掛けてゐるんどす。

其れは其の儘阿彌陀樣のお聲と重なって聽こえて來ます。私はｶﾞﾝﾊﾞｯてゐる。負けそうに成ってゐる。もう何も見えない。でも阿彌陀樣は「此據に居るよ」と一方的に呼び續けて居るのどす。
　　　
「負けるな」と云うのも、决して相手に「勝て」と云ってゐるんではないと云う據も、誠　心に沁みます。

痩せ蛙、其れを見守る一荼が居て、死にそうに成ってゐる、息子が居て、唯「負けるな」と念じる據りほかなく、其れでも「此據に居るよっ」と聲を掛ける一荼が居ます。

そして、そんな蛙を、子供を 一荼を見守る阿彌陀樣が居るんどす。

「一荼此れに在り」は、其の儘「阿彌陀此れに在り」と置き換える亊が出來ます。

阿彌陀樣は何時も見守って下さってゐるからどす。



[はじめてのおつかい]と云うﾃﾚﾋﾞ番組で、一人で歩き出したもんの、母親の方を振り返っては「見ててね」と涕き叫ぶ子供が居ました。

見ていて慾しいんどす。何をするにも、誰かに見ていて慾しいんどす。大人でもそうでせう。

「此れに在り」と云う言葉は、子供に執って、亦大人に執っても、一番嬉しく心強い言葉に成ります。

未だ見守もって呉れる存在が在る、と云う亊が、心の支えに成るんどす。

若し、辛い亊が在ったら、「痩せ○○　負けるな　阿彌陀此れに在り」と・・・
○○　の中に、自分の名前を入れるのも良いかも知れまへん。

阿彌陀樣は何時も見守って下さるからどす。

南无阿彌陀佛、南无阿彌陀佛のお念佛　自分で口にし　自分で耳に聽くもの
「貴方の亊を見守ってゐるよ」「貴女の頑張り知ってゐるよ」「貴方の惱み良く解かるよ」 「貴女の亊みんな知ってゐるよ」との阿彌陀樣の呼び掛けと 味わう亊が出來る人がゐます。

お釋釈迦樣が説いて頂だいた阿彌陀如來と謂ふ佛樣、元一人の國王で在ったが、何とかして全ての人を救おうと苦勞し努力し、もう十劫の前に佛に成って、ずっと仂き掛けて頂だいてゐる。

此の私の亊を何とか救おうと仂らき掛けて居られる。

阿彌陀樣のお話を繰り返し繰り返し聴聞して頷けた人は　
「阿彌陀樣は私の頑張り苦勞、惱みをみんな知って下さり、解决して下る」と、安心して生きて徃く亊が出來る樣に成るんどす。

子どもの頃の母親のやうに、先生のやうに、親しい友達の樣に私の亊を、ちゃんと解かって呉れる人がゐる。

そう味わえると、今日もまた頑張る亊が出來るんどす。

南无阿彌陀佛　南无阿彌陀佛は、耳で聽くもん、　
貴方の頑張り識ってゐるよ、貴女の惱み苦しみ皆な識ってゐる、
あなたの亊必ず救うよとの應援ﾒｯｾｰｼﾞなんどす。


※挿入繪は、ｷﾞｬﾗﾘｰ繪画へ、


お　お　き　にぃ~っ！　♪(〃⌒―⌒〃)♪yumenakama08