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作品名 67になっても、たまにはデートしたい(4) 評価 評価(1)
タイトル 67になっても、たまにはデートしたい(4)
投稿者 比呂よし 投稿日 2014/02/25 09:57:11

+++巨万の富みに埋もれて金貨がザクザク音のする
人物「かも知れない」と思わせるのは、一つの戦略で
ある。小遣いが五万円ポッキリなどと、キャハハ族の
一体誰が想像するものか!

四.皮算用

 次に?の「五十八歳男性」は、十年サバを読んだ。
こっちにだって見栄ってものがある。六五を超えた定
年数年後と、大台の六十手前では大違いである。ーー
ーとまあ、初めはそう考えていたのだが、結果的にこ
れは私の不慣れな誤解であった。

 世は様々だと後日判ったがーーー、男は三十よりも
四十の方が、更に四十よりも六十七の方が「かなり
有利」なのだ。

 何故なら最近の女は、「結婚してくれ」なんて男か
ら迫られる事態を、案外警戒しているからである。三
十の男ならそんな心配が濃厚だが、私のような六十七
なら絶対に安全域である。

 これが年を取る事のメリットで、女が安心するか
ら、こっちとしては「たぶらかし効率」が倍以上有利
になる。いい時代になったもので、大方の男共はこん
な便利な時代の変化を知るまいて。

 さて、私は神戸市に住んでいるから、近隣の都市も
合わせると人口は六百万人以上で、半数が女。どう転
んでも、掲示板を見て少なくとも百通の応募者は堅
い。そうなると、返事を書くのが大変。期待で膨らん
だ六十七のあばら骨を撫ぜながら、私は皮算用した。
(つづく)

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