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作品名 エライコッチャの話(2) 評価 評価(1)
タイトル エライコッチャの話(2)
投稿者 比呂よし 投稿日 2013/12/13 09:59:13

+++新しい話題を提供した形になってしまうから
だ。また勢いを盛り返して再スタートを切るから、
おしゃべりは予定の1.8倍にはなってしまう。

2.男の寡黙

 このように相槌の打ち方一つを間違えると、女の
話は延々と古代から未来へと流れ、聞く内にこっち
の体のあちこちに蜘蛛の巣が張り始め、老化が進行
する。相槌の不慣れは、誠に人生の損になる。
 しかし先の通り、配偶者のおしゃべりが、毎回そ
れほど高邁な精神を語っている訳ではない。

 こんな風に書けば、如何にも女が軽薄だと私が考
えているように取られるかもしれないが、そんな事
はない。初期の頃とは違って、今ではむしろ女のお
喋りを支持しており、平均的な男達がするよりは、
遥かに敬意を払って価値を認めている。

 女に比べて一般に男は口の重い人が多い。 口数の
少ないのは、人類進化の歴史が関係していると本で
読んだ事がある。太古の昔、男はマンモス狩りが主
たる任務だったから、大声でしゃべっていては獲物
を取り逃がしてしまうからだ。

 寡黙だからと言って、男が女よりも上等な訳では
ない。 女のおしゃべりの最中に、男が寡黙に何か特
別高尚な事を考えているかというと、内実はさにあ
らず、大抵はぼけっと何も思考をしていない。

 思考するとすれば、自分が男だからこそ判るが、
このおしゃべり女を裸にすればどんなオッパイをし
ているかな、と良からぬ想像を逞しくする程度であ
る。寡黙で助兵衛な男より、おしゃべりの女の方が
明るくて、人間として余程上である。

 男とは元々そんな生き物だが、天然自然に寡黙に
していると、しゃべらないというだけで、女から見
れば怒っている様に見えるらしい。 配偶者から時々
そう指摘されるから、「いや、そんな事はない、何
も怒ってやしないよ」とこっちが弁解しても、女は
信用しない。「いや、ヒーチャン(=恥ずかしなが
ら私の名)は怒っているに違いない!」と決め付け
られてしまう。

 自信有り気にそう断定されると、案外そんなもの
かな、とこっちもそんな気になってしまう。 それで
はいけないから、夫婦関係を円滑に保つ為に誤解を
解こうとして、仕方なく女の話の途中で、アーとか
ウーとか、一言二言有り合わせの言語を発する。

 ついでにサービスで、「怒っていないよ」のシグ
ナルの積りで、眼だけで笑う練習もやった。そんな
様子に安堵して、女は余計に勢いを増しておしゃべ
りになるのだ。これが一般的な女の特徴であり、男
の特徴でもある。

(つづく)

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