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作品名 アカンタレの話(46) 評価 評価(1)
タイトル アカンタレの話(46)
投稿者 比呂よし 投稿日 2014/02/10 09:28:26

+++ワレがワレがと「なる意志」を示す人が相対的
に数少ないからである。人は案外こんな基本原理に気
付かない。

 
47.社長になる方法(その二)

 第二に、社長になるスタンダードな方法は意外な処
にある:立派な大学に行かない事である。
ましてや大学院なんて、真っ平! そういう人は概し
て大企業へ入って、そこから抜け出られなくなる。安
穏な生活は人から勇気を奪うし、折角入った大企業だ
から、という未練が本人にも周囲にも起きる。冒険と
は無縁になるから、こうなると社長になるのは難しい。

 かと言って、立派な大学を出てから、まさか零細企
業に入る訳にも行くまい。だから結局、そこそこの学
校がいい。素質さえあれば、ろくに高校さえ出なくて
も構わないのである。世の中上手くしたもので、そこ
そこ成功する為に学歴が必要無く、むしろ弊害にさえ
なるというのは面白いと思う。これは、学歴の無い人
に光を与えるだろう。

 自らの経験も踏まえると、こんな一般的現実があ
る。大学出は社会に出て転職を重ねる度に、勤める会
社の規模は大→中→小と段々小振りになってゆく。最
後は零細企業に行き着くケースが多い。無論例外は沢
山あるが、零細企業は不安定で潰れ易いし、社員は
給料・経済面で大企業より恵まれ難い。

 私はこの道をほぼ忠実に辿った。この経過を世間
では、零落とか落ちぶれると言い、ネガテイブに捕ら
え勝ちである。が、私から言えば実はこれが悪い話で
はなく、社長への道を「順調に」辿っていると言える。

 何故なら、会社が小振りに成る程、社内で頭角を現
わしやすくなるし、頼りにされ易い。同時に社会の底
辺と仕組みと会社経営が、手に取るように良く見え
る。どうすれば成功するか、のコツが実感としてあり
ありと掴めるのだ。そこの経営者を眺めて、「俺な
ら、ヤツよりもっと上手くやれる」とか、「ヤツの程
度でよいなら、俺にも出来る」と思えるものだ。

 自分に力さえあれば零細企業なら乗っ取れる場合も
あるし、それが出来なくても同じ事を「真似て」(=
とても重要)独立が可能である。独立後は「もっと上
手く」やればいいだけで、会社を大きくするのは自分
の器量次第。人には言えない苦労も多々あったが、私
もこのプロセスをかなりガメツクやった。

 なお最も注意すべきは、零落して落ちぶれた時に
は、二つの道しか選択の余地は無い:零落したままで
生涯を終わるか、社長になるかの何れかで、中間は
無い。乞食か王様、この選択の分かれ道は金の有無で
はなく、先に述べた「社長になる」強い意志の有無一
つに掛かっている。

 これで判ると思うが、「私は学歴が無いから、良い
大学を出ていないからーーー、だから出世も成功も出
来ない」と嘆くのは、ウソである。その人は仮に学歴
があっても、立派な大学を出ていたとしても、同じよ
うに出世も成功も出来はしない。
 失業時の就活で、当時は未だ多少とも値打ちのあっ
た大卒の肩書きを、私が履歴書からわざと消して職を
求めた、のを思い出して欲しい。

 頑張る人は頑張る程度へちゃんと成れるし、頑張ら
ない人は頑張らないようにしか成らない。生まれ持っ
ている太鼓はほぼみな同じ。太鼓は大きく叩けば大き
な音がし、小さく叩けば小さくしか鳴らないの言葉
通り、誰の人生の鳴り方も公平なものと思う。
 何処からかボールが飛んできて太鼓に当って音を出
してくれるなんて、当てにも成らない棚ボタの幸運な
んて、人生にありはしない。決して信じないことで
ある。
(つづく)

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