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作品名 試してみる?の話(1) 評価 評価(1)
タイトル 試してみる?の話(1)
投稿者 比呂よし 投稿日 2013/12/03 10:14:52


(1)
 最近毎週土曜日に、私は服装を選んで出掛ける処
がある。言わずと知れた若い女の処。最近では配偶
者がやっと怪しみ始めた。「会社へ行くよりも何か
はつらつとしているわねーーー」

 そんな励ましの声を掛けられて、「ドッキーン!」
となるのは、どうせ出掛ける本人にやましい処があ
るのだ。土曜日の半日、私は神戸元町にある専門学
校に通って、マッサージの勉強をしている。

 もう半年以上になるが、教室を開いているのは私
よりも腕っ節のありそうな40を幾つか越えた逞し
い女講師である。コースの受講料は分割払いで18
万円。 けれども、以下を読めばこの料金が「安い!」
ものだと判る。

 半年以上に渡る専門学校での研鑽の甲斐があっ
て、私はやっと今月、クラスを首席で卒業の予定で
ある。もっとも卒業生は今回私一人だから、首席を
独り占め出来る予定なのだが。

 12名の同級生のうち、私以外の11名全員が女
である。花の中の雑草一本、無い方がまし、とは私
の事である。私以外、女達は全員未だ卒業せずに奥
義を極めるために、大学院に相当する「応用オイル
マッサージゴールド専科」へ進学するのだが、私は
この辺りで中途卒業する事に決めた。

 11名の女達の中で7−8名は、将来自分のマッ
サージサロンを開きたい、という事業家の夢がある。
残りの3〜4名は、学んだ技術を活かしてホテルの
マッサージルームなどの仕事に付きたいのだという。
クラスの二人は既婚者で残りは独身だが、独身達の
結婚願望は極めて希薄。

 読者は、マッサージを練習した事があるだろうか。
本気でやろうとすれば指圧・あんま・針は国家資格
で、数年間昼間の学校に通って国家試験にパスしな
ければならない。当初はそれに挑戦する筈であった
が、仕事を抱えている身で、止む無く街中の専門学
校の土曜半日・半年間のコースでお茶を濁す事にし
た。

 しかし私がマッサージの勉強をしているのは、社
内で内緒なので他言無用に願いたい。もし社員が聞
き知ったら、社長が内職を始めたからいよいよウチ
の会社も危ういーーー、と浮き足立つ心配があるか
らだ。
(つづく)

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