読書日記

『帝国の女』 <旧>読書日記1574 

2024年04月03日 ナビトモブログ記事
テーマ:<旧>読書日記


宮木あや子『帝国の女』光文社(図書館)

内容紹介によれば
大手テレビ局「帝国テレビジョン」での仕事に昼夜、オンオフの区別はない。恋も夢も曖昧なまま、それぞれの“戦場”に向かう日々―憧れと現実のあいだで揺れる5人の女性の切実な生き様がここにある。仕事、恋愛、夢、希望、葛藤…。等身大の思いが胸に響く、すべての戦う女性たちに捧げる物語。リアルにビター、だけど必ず前を向きたくなるお仕事小説!書下ろしエピソードを加えて刊行!

という話であり、章立ては以下の通り。
「兵隊系女子」  宣伝・松国貞江
「指先の砦」   プロデューサー・脇坂摩耶
「昼飯の角度」  脚本家・大島多恵子
「蝋燭の火を灯せ」     マネージャー・片倉一葉
「シュテファニークの停車場」テレビ誌記者・山浦清美
「Combined Girls Fleet」 愛して野良ルーム3
最後の1篇が書き下ろしであり、他の5篇は「小説宝石」の連載。

5人の中には入らないが今年44歳になる女優菊丸佐代子も案外重要な登場人物である。17歳の時にたまたまロケハンに来ていた映画監督に見初められてスクリーンデビュー。20代前半で清純派女優として数々のドラマの主演を務めたが30を過ぎてからは落ち目と囁かれ露出も減った。しかし、35歳ぐらいから再び光を放ち始め40歳を過ぎたころから若作りをするでもなく年相応の自然な美貌が若い層からも「憧れの大人の女性」として復活した。

佐代子は生粋の元ヤンで両親は居ない。その復活を支えて来たのがマネージャーの片倉である。このTVという業界の中には素性の判らない人物が多くいるのであるが、背中一杯に刺青を入れている片倉の素性はまったく判らない。彼女が佐代子のマネージャーになったいきさつは「蝋燭の火を灯せ」に詳しいのであるが・・佐代子以上に悲惨な状況から佐代子によって救い出されたのである。

最後の「Combined Girls Fleet」は飲み会という形で5人が集まる話で全体のまとめ的な役割を負っている。

どうやら、著者によると、著者には2系統の作品があってもう一方は現実的で超暗いんだそうで、このハッピー路線で未読のものは「野良女」ぐらいらしい。あとはそれを読んで一旦休みに入ろうと思う。と言うか、以前から図書館に予約していた本が少しずつかり出せる様になって来たのでそちらが先でこのまましばらくこの著者はお預けになるのかもしれない。
(2021年9月18日読了)



拍手する


コメントをするにはログインが必要です

PR







掲載されている画像

上部へ