読書日記

『あなたのためなら』 <旧>読書日記1525 

2023年12月08日 ナビトモブログ記事
テーマ:<旧>読書日記


田牧大和『あなたのためなら』文春文庫

藍千堂菓子噺の3冊目。本作は「遣らずの雨」「袖笠雨」「狐の嫁入り」「通り雨」「逆さ虹」と雨に関わる題名の5篇からなる。

藍千堂は晴太郎と幸次郎の2人の兄弟と父の頃からの職人の茂市の3人で営んでいる。前作で晴太郎は武家の出で絵師をしていた佐菜と結婚し、その連れ子であるさちをむすめとして育てている。という状況は初めの「遣らずの雨」でなんとなくわかる。で「袖笠雨」ではいきなり雪という女性が家出してきて佐奈の元にくる。雪とその夫とのすれ違いとその解消を描く。「狐の嫁入り」は百瀬屋の跡取り娘であるお糸に婿取り噺が起こり彦三郎という男が百瀬屋に出入りするようになる。「通り雨」は茂市が菓子詰まりの道に入った思い出話で幕間の間奏曲で、「逆さ富士」ではお糸が言われ無き罪をかぶせられるがお糸自身の行動で窮地を脱し、彦三郎の正体も判る。

ということで、楽しく読んだが、実はいきなりの佐菜とさち、そして武家の嫁である雪と未知の人物にはてな、となる。そして、この読書日記を書こうとして改めて第2巻にあたる『晴れの日には』を見直そうとしたら、実は読んだ本の内容を思い出せないのではなく、この2巻目を読んでいなかったことが判明し、未知の人物の存在の理由が判った。

そう言えば書店で手に取ったことはあるけれど、その時に買わなかった様だ。ということで早急に、『晴れの日には』を探して読まなくてはならない。
(2021年6月19日読了)



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