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読後感「ロシアより愛を込めて」金平茂紀著 

2023年10月26日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

 サブタイトルに<あれから30年の絶望と希望>とある通り、本編の大半は30年前に発売された出版物(1993年3月筑摩書房から刊行)の丸写しである。その補章という形で最後に全体の2割ほどの章を設け{ウクライナより愛を込めて}を書き加えている。著者はTBSテレビ「報道特集」の記者を長年務めていた。下らないテレビの中で、欠かさず観ていた番組なのでよく知っている。しかし記者としての経歴は殆ど知らなかった。今回始めて知ったが、氏は1991年から94年の丸々3年間をTBSモスクワ特派員として過ごし、そこでソ連崩壊を直接見聞出来た幸運に恵まれている。企業人であったジャーナリストが、自らの経験を出版して一儲けするのは誰にもあることだから非難することは出来ないし、読者の立場からすれば大いにやってもらいたい。今回もその野次馬根性丸出しで久しぶりに購入したが、殊の外面白かった。理由はロシアが今俄然注目に値する国になっているからに他ならない。過去30年を振り返ると、最初の10年くらいは未だ半分現役で仕事をしていたせいか、世界情勢は殆ど記憶にない。ゴルバチョフとかエリツィンとかの固有名詞はそれなりに記憶にあるが、極めて断片的で、その間に彼の国で何が起きていたかは何も知らないと言ってもいいだろう。それだけに、現在これだけ騒がれていいる国で当時起きていたことを知ることが出来たのは大変有益だった。日本という国を他国から見た時、その変化を適切に捉えたとしても、変わらない部分が多分にあることは否定できないだろう。同じようにロシアにも帝国時代、ソ連時代をを通して変わらないことが多くありそうだ。何もウをッカ好きだけではない。著者はそこを上手に捉えて書き残している気がする。やはり一流のジャーナリストと言えるだろう。著者は3年間のモスクワ時代に現地で見た、クーデターを起こして政権トップについたエリツィンの人間像をかなり正確に描写している。もう1点だけ追加しておきたい。当時著者はセミパランチスクと言う土地を訪ねている。地図帳で調べると現在はロシアでなくてカザフスタンの北東部となっている。ソ連の核実験場のあった場所。アメリカのネバタ州にあるのと同じだろう。このレポートの生々しさが非常に印象的だ。

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