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吾喰楽家の食卓

久しぶりに見る三遊亭好楽の高座 

2023年08月18日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

国立演芸場8月中席6日目を見た。
毎年8月中席は、桂歌丸がネタ出しで圓朝作の怪談噺(・・・怪談乳房榎・江島屋怪談・お露新三郎/出逢い)を長講していたが、この枠を引き継いだ三遊亭円楽(6)も他界した。
昨年から、落語芸術協会(桂歌春・笑福亭鶴光・三遊亭小遊三・桂米助)と、五代目圓楽一門会(三遊亭好楽)が加わり、五人の師匠が交替でトリを勤めるようになった。
ところが、7月6日にチケットの発売を開始した時点では、出演者はトリだけしか公表されていなかった。

好楽がトリを勤める日を見ることにしたのは、日頃、見る機会が少ない圓楽一門の若手に期待したからである。
目論見は当り、好楽の弟子である兼好が出演した。
他には、芸協理事の三笑亭夢太朗、歌丸の弟子である歌助と枝太郎などだ。
チケットの売れ行きが悪かったのは、出演者の決定が遅れた影響だろうが、最終的には七割ほどになった。

■桂れん児(前座)/豆や
予備知識がないので調べてみたが、歌助の弟子で前座というだけで、本人がマクラで言ったこと以外の新しい情報は無かった。
何れにせよ、入門して間が無いのだろう。
独特な個性を感じたので、将来を期待して良いのではとは思う。

■春風亭昇市(二ツ目)/ん廻し
笑点の司会をしている昇太師匠の弟子なのは、直ぐに分かった。
わいわいがやがや噺を、卒なく口演した。
とは言え、余り印象には残らなかった。

■桂枝太郎(真打/以下同様)/狐裁き
久しぶりに見たが、数年の間に激太りしたのに驚いた。
マクラで、師匠歌丸の最後の高座である、5年前の国立演芸場4月中席で口演した『小間物屋政談』に触れた。
出演を奇数日の5日間に絞ったが、初日で見た口演を懐かしく思い出した。

■三笑亭夢太朗/竹の水仙
お馴染みの甚五郎ものを、見事に口演した。
鋸を持って竹藪へ入る場面で、札幌の事件にさらりと触れるなどは、流石である。
安心して見ていられる、師匠の一人だ。

■三遊亭兼好/蛇含草
初めての噺だが、『そば清』の蕎麦を餅に替えただけだと直ぐに分かった。
オチが分かっても楽しめるのは、芸のなせる業だろう。
五代目圓楽一門の若手ホープは健在だった。

■桂歌助/都々逸親子
実際に学校寄席の仕事が多いのか、今回もマクラで触れた。
いつの間にか、親子で都々逸を競い合う噺に入っていた。
数年前まで、テレビの囲碁番組で囲碁川柳を担当したくらいで、川柳にも造詣が深い。

■三遊亭好楽/胡椒の悔やみ
昨年10月の五代目圓楽一門会を見て以来で、その時も『胡椒悔やみ』を口演したが、話芸というより変顔で笑わせる噺だった。
今年2月、浅草演芸ホールで、「五代目春風亭柳朝三十三回忌追善興行」が行われた。
彦六時代の兄弟弟子なので、芸協の公演に圓楽一門が出演するのは異例だが、好楽も名を連ねた。

(敬称略)

   *****

写真
2023年8月16日(水)国立演芸場の演題 / 17日(木)夕餉(鯵フライ・揚なす肉味噌仕立て)

お礼
「落語の前に寿司屋で一杯」に、拍手を有り難う御座います。この場を借りてお礼申し上げます。



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