読書日記

『乱癒えず』 <旧>読書日記1381 

2023年05月20日 ナビトモブログ記事
テーマ:<旧>読書日記

佐伯泰英『乱癒えず』光文社文庫

新・吉原裏同心抄の3冊目。「吉原裏同心」シリーズ全25冊、「吉原裏同心抄」シリーズ6冊を受け継いで、舞台を京と江戸に分けて、話を進める。

本巻では禁裏の刺客・不善院三十三坊を斬った幹次郎。その直後から、禁裏と、ある西国の雄藩の影が祇園の町にちらつきはじめる。両者の暗い思惑を断つべく幹次郎は、入江同心と共に思いがけぬ場所へと潜入する。吉原では、澄乃と身代わりの左吉の必死の探索によって、吉原乗っ取りを企てる一味の正体へ少しずつ近づく、という話。

「居眠り磐音」シリーズがようやく終わり、続編の「空也十番勝負」も中途で読むのを止めたのは、内容がドンドン詰まらなくなって行くことに耐えかねて、である。本シリーズにしても、もっと続くかと思った「吉原裏同心抄」シリーズを尻切れで終わらせリニューアルしての続編が少しましになったかと読んでいる。

著者は何かの作品の後書きで、読者が変わったと書いていたが、そうではなく著者が変わったのであろう。聞く所によると、著者は喜寿を越えて体調不良が続くとのことであるが、もはや新作は書かなくとも良いのではないかとも感じる。まあ、読み出せば読んでいる2時間ほどは楽しいのであるが、後に内容が何も残らない。
(2020年10月14日読了)



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