読書日記

『戦端 武商繚乱記1』 読書日記76 

2022年09月07日 ナビトモブログ記事
テーマ:読書日記

上田秀人『戦端 武商繚乱記1』講談社文庫

著者はここ1年ほどの間に「百万石の留守居役」シリーズ、「禁裏付雅帳」シリーズ、「聡四郎巡検譚シリーズ 」をバタバタと幕を閉め、最後の「聡四郎」ものは「総目付臨検仕る」シリーズとして形を変えて存続し、新たに「武商繚乱記」や「隠密鑑定秘録」というシリーズを始めた。

この本は裏表紙に
時は元禄。上方では米や水運を扱う大商家の淀屋が諸大名に金を貸し付け隆盛を極めていた。もはや看過できぬと、老中土屋政直は目付の中山時春を大坂東町奉行に任じ、その配下となった町方同心山中小鹿は密命を託される。商人の台頭を武士は抑えられるのか。生き残りをかけた戦いが始まる!

とある著者の新シリーズの1冊目。amazonなどの内容紹介は、以下の通り。

大坂・東町奉行所の同心、山中小鹿(やまなか・ころく)は、上役の筆頭与力・和田山の娘をわけがあることを
承知で娶ったにもかかわらず、裏切られてしまう。妻の不貞を許せなかった小鹿は、
義父の和田山に妻を公然と突っ返すという方法に及ぶ。これが原因で、東町奉行所内では、
同僚たちからも距離を置かれて居心地がよくない日々を過ごしていた。
鬱憤をはらそうと大坂の遊郭に足を向けたものの、なぜか客引きをされない。
理由は、大商家が「総揚げ」すべての見世を貸し切っていたからだ。
その商家の名は、淀屋。西国三十藩以上の年貢米を大坂へ廻送、売る権利を持ち、莫大な富を得ていた。
淀屋に借金をする大名もあらわれ、参勤交代の折には淀屋に寄って挨拶をするほどの力関係に至る。
幕府も忸怩たる思いで、ついに時の老中首座・土屋相模守が手を打つことに。
一介の同心・小鹿は、商魂たくましい上方の豪商と武士の沽券をかけた争乱に巻き込まれていく。

ということでまあまあ快調な出だし。と言っても、著者の新シリーズの初めはみんなそんなものだ。適当なところで折り合いをつけて大団円にすれば良いものを(途中で色気がでるのか)何となく引き延ばしてグズグズの話にして終了する。まあ、少年ジャンプの人気漫画が連載が長引き人気の衰えで急に話をまとめて終了する様なものだ。

軽く読めるし、読んでいる間はそれなりに面白いから読み続けるけれどこの勢いがいつまで続くかは判らない。大石内蔵助がちらっと出て来たけれどどう話に繋げるのか。
(2022年7月16日読了)



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