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ひろひろ48
悪意なき差別主義者?
2021年11月28日
テーマ:テーマ無し
毎週土曜の朝刊に、書評が載る。すこし前、駅前の書店で見かけ気になる本が紹介されている。アメリカでの黒人差別、日本での女性差別、民主主義が広まった多くの国で今なおいろんな差別がある。一時期減ったかと思えた差別が、貧富の格差、内戦などから逃れるための難民問題などから、非民主主義の国のほうが多くなってきている世界。
差別にはいろんな原因がある。外見、言葉、居住区などなど。同じ国民の中でも、いろんな差別がある。
そのひとつの原因?について書かれた本がある。「差別はたいてい悪意のない人がする」見えない排除に気づくための10章:キム・ジヘ(韓国・江陵原州大教授)
書評:中脇 初枝(作家)
「あたりまえ」に思いをはせる:
自分が差別主義者だと思う人は多くないだろう。著者も同様で、まさか自分がそうだとは思っていなかった。ところが、ある日、何気なく発した言葉について問われた著者は、自分が悪意なく差別をしていたことに気づき、この本を書いた。「自分をとりまく言葉や考え方をひとつひとつ確認していく作業は、まるで世の中をあらためて学ぶような感覚があった」という。
それほどに、差別はこの社会にまん延し、もはや見えなくなっている。著者は、その現実を前に、実際に起きた事件、古今東西の論考や統計などを取り上げながら、不平等な社会で、わたしたちがそれに気づかずに生きることが、いかに「差別に加担」し、差別的な現状を維持してしまうことになるかを明らかにした。
なぜ、みんな差別はよくないとわかっているのに、差別がなくならないのか。なぜ、差別的な発言をした人たちが「そんなつもりはなかった」と言うのか。なぜ、保育士や看護師は女性が多く、その賃金が低いのか。なぜ、ジェンダー平等がすすむと、男性は理不尽を感じるのか。なぜ、人生で起きるあらゆる困難を、努力不足の「自己責任」と片付けられてしまうのか。そんな疑問に答えてくれる。
衝撃だったのが、「特権」という言葉の「発見」だった。わたしたちは特権を、ごく一部の特別な人が持つ権力のように思いがちだが、実は「他の人は持たず、自分は持っている」あらゆるものを指すのだという。わたしたちは、日々、なにかしらの特権を無意識に享受しながら、それをあたりまえと思って生きている。一方で、わたしたちが持つ特権を持たない人がいる。
差別をなくそうと言葉で言うだけでは、差別はなくならない。自分の持つ特権を持たない人に思いを馳せ、「世の中はほんとうに平等なのか」思索しつづけることが、わたしたちが「悪意なき差別主義者」となることを阻んでくれる。この本を手に、「世の中をあらためて学ぶ」旅を続けたい。どんな人生でも、その人生をまっとうにできるようおな平等な世界を目指して。
<引用以上>
たしかに、そういう一面もあるのだろうが、それだけでは十分ではない気がする。もっと本質的なことがある気がする。集団心理的な面も大きいし、自分たちのグループ内での村八分的なことに対する恐怖的なことも。根源的には、言葉そのもの、文化、歴史そのものに内包する排他的な感情も。子供は、まず、親から言葉を覚える。次に友達、学校、子供の集団の中で、言葉に付随するいろんな意味を感じ、心、心理に沁みついていく。そこを抉り出し、そこから出発し、その差別的な面を「教えられ、世の中をあらためて学ぶ」ことが必要でないだろうか。犯罪である「いじめ」の構造もおなじで、きちっと「それは、差別で、犯罪」だと教えることが絶対的に必要で、差別する側に教える必要がある。差別される側の権利でもあり、差別を減らし、なくすための「義務」かもしれない。
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