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吾喰楽家の食卓

久しぶりの真打昇進披露公演 

2021年11月09日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

昨日、国立演芸場で柳家さん花(柳家小んぶ改メ)の真打昇進披露公演を観た。
今秋、落語協会では四人の真打が誕生した。
コロナ禍の前なら、全員の公演を観たかも知れないが、今回は一人だけにした。
誰にするか迷ったが、師匠である柳家さん喬の落語が好きなので、柳家さん花を選んだ。

玄関前には贔屓から贈られた、柳家さん花の“のぼり旗”が並んでいた。
中に入ると、幾つもの花籠が飾られて、披露公演に独特のお祝い気分に溢れていた。
二階のロビーでは、通常だと新真打の扇子や手拭を売っているが、今回は無い。
コロナ禍だから、自重するのは止むを得ないが、やはり寂しい。

お馴染みの古典落語が続き、中入りの後は、お目当ての口上である。
歌舞伎とは異なり、冗談交じりの口上だが、師匠はビシッと決めた。
「・・・師匠は水を遣るだけです。本人の努力で花を咲かせます。その花に綺麗な色を付けるのはお客様です・・・」と。
落語の修行を花に例えたのは、新真打の名前に花の字が含まれるだけに、気の利いた口上だ。

口上に続き高座に上がった師匠は、『締め込み』を口演した。
マクラで泥棒噺は、客の心を盗み取るという、お目出度い落語だと説明した。
夫婦と泥棒の三人しか登場しないが、その三人を見事に演じ分けた。
その淀みない語り口は、「落語の手本」と思える、素晴らしいものだった。

トリを務めた新真打は、廓噺の『五人廻し』を高座に上げた。
マクラの後半で意味不明の言葉があったが、自らその事に触れては駄目だ。
登場人物は、花魁、妓夫太郎(ぎゅうたろう)、五人の客と多いが、客の演じ分けが今一だった。
とはいえ、好感の持てる噺家で、この先、経験を重ねることで、立派な一枚看板になると期待している。

   *****

写真
2021年11月8日(月)の国立演芸場

御礼
「写真で知る食いしん坊の進行」に、拍手を有り難う御座います。この場を借りて御礼申し上げます。



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