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ひろひろ48
パンとサーカス
2021年09月15日
テーマ:テーマ無し
19世紀末ごろ、イギリスにおける資本主義の黎明期、当時の領主(貴族であり資本家)の領地の囲い込みにより、農地、牧草地を追われた農民が都市に流れ、劣悪なほとんど奴隷と呼べるくらいの労働環境の状態を、資本論のマルクスの
支援者であり、同士だったエンゲルスが書いた「イギリスにおける労働者階級の状態」と、かなり似たようないまの日本の非正規労働者。コロナ禍で、住む所を追い出され、その日の食べるものにも窮する。
新聞の夕刊のコラム「大波小波」から:
今、「パンとサーカス」考(水)
東京五輪2020の最中、「パンとサーカス」という言葉がSNSで話題になった。権力者が民衆にパン(生活の糧)とサーカス(娯楽)を与え、政治に対する批判精神を忘れさせてしまう。そうした状況を意味する古代ローマの言葉である。ところが現在の日本政府が打ち出すのは、生活や医療の保障すらも欠いた「パンなきサーカス」ばかりではないか。
私たちはやはり、パンとバラ(尊厳)を同時に求めるべきだー20世紀初頭の移民労働者たちの大規模ストライキを参照しながら、「パンとバラと反資本主義」という副題を持つ堅田香緒里「生きるためのフェミニズム」(タバブックス)を読み、そう思った。
女性野宿者の殺害事件、女性活躍推進法の名のもとに生じる女性間格差,パンデミック禍の労働者の苦境‥。著者はそれらの暴力的な現実を見つめていく。そしてパンとバラを求めるためにも、「セーファースペース」(差別や抑圧、暴力を可能なかぎり最小化するための安全な空間)が重要だ、と論じる。
生活の糧、尊厳、安全な居場所ーそれらの基本的な権利がなぜ希少に感じられてしまうのか。サーカスを安心して楽しむ、そんな人間としての望みすら贅沢だというのだろうか。
<引用以上>
これを入力しているとき、偶然NHKのニュースウオッチ9で「資本論」と、映画「マルクスの娘」という映画が紹介された。あの時代、女性の地位向上、差別をなくすため、女性たちを啓蒙し、でも、現実の自分の家庭では多くの問題もかかえ、43歳で自死した。新聞朝刊に連載された「パンとサーカス」は小説家島田雅彦さん(59)が執筆し、終わっています。新自由主義、なんと黎明期の資本主義に似ているのだろうか。
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