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カシアス

苦行の2夜 

2021年03月28日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

 当家の二人の息子はそれぞれ一家をなし、
4人の孫がいるが、全て女の子だ。
将来、西多摩市にある当家の墓をどうするのか、
些か気にかかるが、どうせその時私はこの世にいない、
息子たちが考えることだ。

 40数年前、長男に続いてもう一人、男の子が欲しいと、
頑張ったことがある。

 当時、私は29歳の若手技術者、
大規模な圧延工場の建設を担当していた。
計画開始から3年、設備の設計、製作を経て、
据え付け、試運転、調整で家に帰る余裕がなく、
3ヶ月ほど、ほとんど会社に泊まりこんでいた。
因みに、そのプラントは
現在も主力工場として稼動している。

 たまに家に帰ると、
息子は不思議な顔をするだけで、近づかない。
ある日、妻(現監視人)から会社に電話があり、
3日後に家に帰ってください、と言う。
長男に続いてもう一人、男の子が欲しい、とのこと。
指定日の夜、家に帰って、久しぶりに風呂に入り、
ゆったりと食事をして・・・後は頑張るだけだ。

 ところが、連日満足に寝ていない上に、
我が家の布団は寝心地がよく、
横には暖かいのが・・・
大事な時に、つい、うとうとするのは、
自然の成り行きだ。
2回ほど、うとうとしたら、妻が、
「私だって好きでやっているわけではない」と怒る。
確かに目的が明確で、好き嫌いの問題ではない。
2日連続で家に戻り、兎も角、頑張った。

 そのときは、結局失敗だったようだが、
1ヶ月後に、又会社に電話があり、日を指定され、
再度、苦行(?)の2晩を過ごして、
今度は、うまくいった(らしい)。
妻は体を酸性だか、アルカリ性だかにして、
男を狙っていたらしく、10ヶ月後には、
無事に男の子、つまり次男が誕生した。
苦労が報われた・・・らしい。

 会社の上司や、同僚に男の子が生まれたと言ったが、
家に帰ってないのに、子供が出来るはずがない、
俺の子のでないと言う。
当家に限って、怪しい事などあろうはずはなく、
顔も性格も似ているから、DNA鑑定をするまでもなく、
間違いなく我息子・・・と思う。



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