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姉の家庭教師 

2020年08月30日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

辞任を公表した安倍首相の家庭教師は
当時現役の東大生だった、平沢勝栄氏だったとのこと。
以下、8年前に書いた日記姉の家庭教師です。

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私が小学生の時、中学生の姉の家庭教師として、
現役の東大生が来ていた。
英語や数学を週に3回教えてもらうのだが、
一緒に食事をし、私にとっては諸々の相談にも乗る、
頼れるお兄さんだった。

彼は典型的な文武両道で、野球部の中心選手、
ずっと1番ショートで、関東六大学リーグでは、
それなりの成績を残している。
当時の六大学リーグは立教に長島がいたりして人気があり、
時々テレビ中継もされていた。

体型は、特別に大きくはなく、どちらかと言うと細身、
感情を露にするような事はなく、
淡々として気負いも衒いもない。
母はそのへんが気に入っていたようで、
姉が無事に入試を終えた後も時々家に招き、
彼も気軽に訪れて食事し、
たまには私のキャッチボールの相手もしてくれた。

中学生のときに、彼に駒場祭(東大の学園祭)に
連れて行ってもらったがある。
今思えば、中学生の男の子の案内など、
さぞつまらないだとうとは思うが、
そんなそぶりも見せず、丁寧に案内してくれた。
母は、姉を好きだったのではないか、言うが真偽は不明。
当家とのお付き合いは
仏文科の博士課程を終える頃まで続いたが、
その後フランスに留学し、帰国後は大学教授となり、
今は文筆業をしている。

余談ながら、後年、東大に入った次男の空手演舞会を見ようと、
駒場祭に行ったことがあるが、
中学生の自分を連れて歩いた彼を思い出し、
息子の空手演舞を見ている今の自分を思い、四十年の年月が、
長くにも、短くにも思えて感慨にふけったものだった。

彼、海老坂武氏は、私より13年上だから、
現在78歳、未だに独身、
フランス文学、特にサルトルの研究者、
翻訳が多いが、著書もある。
「戦後が若かった頃」
「かくも激しき希望の歳月」
「祖国より一人の友を」
など真面目なものが大半だが、二十数年前に、
軽いエッセイ風の「シングルライフ」が当たり、
ベストセラーになった。

「シングルを続けてきた僕にとってさびしさはまったくない。
もともとさびしさや弱さを自覚したところで出発した
わけだから。」
だそうだ。

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この日記を書いたのは8年前だから、
今、海老坂氏は86歳のはず、
偶々Facebookで見つけると、未だ健在のようだ。

カテゴリ:日常・住まい



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