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吾喰楽家の食卓

『義経千本桜』収録動画を堪能 

2020年04月16日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

『義経千本桜』は、五段構成の人形浄瑠璃として、初演されてから270年以上が経つ。
同じ時期に世に出た、『菅原伝授手習鑑』(前年)、『仮名手本忠臣蔵』(翌年)と共に、義太夫狂言の名作として今でも人気を保っている。

『菅原伝授手習鑑』は、人形浄瑠璃の“車曳の段”、“寺入りの段”、“寺子屋の段”を、2017年の文楽若手会で見ている。
歌舞伎では、“車曳の段”だけだが、2019年の鑑賞教室で見た。

『仮名手本忠臣蔵』は、歌舞伎で全段を、2016年に3ヶ月を要して、それぞれを2回ずつ見ている。
それ以来、落語の『淀五郎』(四段目)、『中村仲蔵』(五段目)、『七段目』(五段目〜七段目)など、芝居噺を見るときの面白さが倍増した。

『義経千本桜』は、歌舞伎で二段目のうち“渡海の場”と“大物浦の場”を、2015年の鑑賞教室で見て、尾上菊之助に一目惚れした印象に残る公演である。
とはいえ、三狂言の中では、最も粗筋を理解していない。

   *****

『義経千本桜』は、生き延びた平家一門の武将と、義経の流転を絡ませて展開する。
安徳帝を守護して義経打倒を期す平知盛(とももり)、平維盛(これもり)を助ける無頼漢・いがみの源太、義経の家臣・佐藤忠信に化ける源九郎狐の三者が、狂言の中心を成している。

知盛(時代)、源太(世話)、忠信/源九郎狐(舞踊)は、それぞれの分野で優れた、立役の代表的な役柄である。
国立劇場の通し上演で、この三役を兼ねるのは、尾上松緑(2)と市川團十郎(12)に続き、今回の尾上菊之助は三人目らしい。

今回は、原作の中心になる、二段目、三段目、四段目を、三つのプログラムに分けて公演する予定だった。
三つとは、Aプロ/二段目(伏見稲荷鳥居前の場・渡海屋の場・大物浦の場)、Bプロ/三段目(下市村椎の木の場・下市村竹藪小金吾討死の場・下市村釣瓶鮓屋の場)、Cプロ/四段目(道行初音旅・河連法眼館の場)だ。

色々考えたが、三月は予定が詰まっていて、三プログラムは無理なので、見るのを断念した。
結局、公演は中止になったが、今、考えれば、AプロとCプロの二公演、もしくはBプロ一公演だけを見ても楽しめるはずだと気が付いた。

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国立劇場のHPで、中止になった3月歌舞伎公演『義経千本桜』の収録動画を、期間限定で無料公開することを知った。
三プログラムを合わせると5時間を超えるので、一日に一つずつ見ることにした。
余り予備知識はなかったが、思った以上に楽しめた。
しかし、実際の理解度は、30%くらいだったようだ。

二回目は、通信販売で入手した、プログラムと台本を手元に置いて見た。
台本を見ているので、新たな出演者が登場しても、直ぐに誰だか分かった。
勿論、台詞の意味も分かり、ストーリーが面白いように理解できた。
動画を見ながら台本を読むので、非常に疲れるから、段を通しては見られず、幕ごとに休憩した。

二回目も三日を掛けて動画を見たが、理解度は75%ほどに上がった。
少し時間を空けて、三回目は台本を見ずに、動画に集中して見ようと思っている。
公演が中止になり、収録動画が無料公開されたのは、事情が事情だから単純には喜べない。
しかし、外出を自粛している最中に、『義経千本桜』を見られるのは有り難い。

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写真
『義経千本桜』のカタログと台本

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御礼
「四日ぶりの買物」に、拍手を有り難う御座います。この場を借りて御礼申し上げます。



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めのうさんへ

吾喰楽さん

ブログにも書きましたが、初回は、ストーリーの理解度は、25%くらいでした。
それでも、充分に楽しめました。

耳で聞くのではなく、映像を目で見ているだけでも、充分に楽しめるはずです。

Bプランの後半で、菊之助が演じる権太から、妻子を身代わりにした苦悩が、ひしひしと伝わってきました。
Cプランの後半では、彼は子狐を演じましが、親を偲ぶ愛らしさを、見事に表現していました。

2020/04/16 11:59:32

Youtubeで

めのうさん

先日吾喰楽さんがリンクを載せて下さった公演ですね、私も少しだけ拝見しました。

歌舞伎の知識は無く、台詞もあまりわかりませんでしたが、其々の感情は伝わって来ました。

それと動きの一挙一動が完全な「絵」になっているのがとても印象に残ってます。

また見てみます。ありがとうございます。

2020/04/16 09:03:41

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