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吾喰楽家の食卓

今日までの10年と来るべき10年 

2019年08月01日 ナビトモブログ記事
テーマ:妻のこと

ちょうど10年前、妻は6年の闘病生活を経て他界した。
8月1日は土曜日だったが、1週間前の土曜日、廊下ですれ違った主治医から「あと1週間ほど」と、伝えられていた。
一瞬、「こんな大事な話を、廊下で立ち話とは」と思ったが、口には出さなかった。
6年前の初診のときは、当時の助教授が主治医だったが、そのアシスタントをしていた女医さんである。
とにかく忙しい先生で、乳腺外来の診察だけでなく、マンモグラフィ検査も兼務していた。
「立ち話でも、やむを得ない」と、納得するしかなかった。

最後の入院は、ナースステーションに隣接した、五階病棟だったと記憶している。
その日は、すでに梅雨は明けていたが、今にも雨が降りそうな、蒸し暑い日だった。
土曜日なので、朝から病室に詰めていた。
妻は眠っていたので、中庭を行き来する学生を、病室の窓から見ていたのを鮮明に覚えている。
午後から、二人の義妹が来てくれた。
息子の勤務先は、土日は営業する会社だったし、嫁さんは、当時は園児だった孫の世話があるので、「何かあったら連絡する」と、言っておいた。

結局、妻は、8月2日(日)午前0時41分に他界した。
主治医の予想は、ほぼ的中した。
夜が明けると素晴らしい天気で、徹夜明けの身には、朝日が眩しかった。
二人の義妹は、夜中に駆け付けた息子が運転する我が愛車で、実家へ帰った。
私は、妻と一緒に、迎えの車で斎場へ向かった。
妻を斎場に預けたのだが、葬儀の日までの数日、毎日、会いに行った。

今日、節目の日を迎え、10年前の記憶が鮮明に蘇った。
その後の10年間は、我が人生の幸せな時期の一つになった。
結果的にそうなっただけのことで、妻が居ないから幸せだったのではないのは、言うまでもない。
勿論、周囲の支えがあってのことで、それは感謝している。
これから10年経つと、私は男性の平均寿命を迎える。
それまで生きられるか分からないが、来るべき10年も我が人生の幸せな時期にしたい。

   *****

写真
7月31日(水)の昼餉(鰻丼と肝吸い)と夕餉(鰹の刺身とアボカドサラダ)



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かめきちさんへ

吾喰楽さん

こんばんは。

「妻のこと」を、ブログのテーマに用意しましたが、実際に使ったのは数回しかありません。
晩年の我が人生で、今日がターニングポイントのような気がして、敢えて使いました。

余り感傷的なことは、書かなかったつもりですが・・
かめきちさんが、涙を流されたとしたら、それだけ奥様を愛されている証拠だと思います。

2019/08/01 18:48:49

恥ずかしながら、涙が流れて

かめきちさん

私はこんなに家内を愛した事があっただろうか?貴方のブログを読みながら涙が止まりませんでした。家内は代々「正教会」を信仰する家庭だったので結婚式もその形式で行いたかったのですが私が首を縦に振らなかったので結局は普通の式になりました。で、最後だけは一緒の形式で式をしようと考えるようになり、この年になって洗礼を受け「正教会」の信者になろうかと思い始めました。昨年の8月には家内の父親が亡くなりニコライ堂で式を行いました。

2019/08/01 17:54:51

ウイールマンさんへ

吾喰楽さん

無理をせず、自然体で、頑張りましょう!

2019/08/01 12:31:41

吾さん

ウイールマンさん

了解です。

お互い頑張りましょう。

2019/08/01 11:55:41

パトラッシュさんへ

吾喰楽さん

おはようございます。

どこまで潔いか、甚だ疑問ですが・・・
何れにせよ、有り難う御座います。
落語や歌舞伎の存在、そして、風流寄席を知ったことは、私の人生を少なからず、豊かな物にしてくれました。

今しがた、国立演芸場9月定席のチケットを取ったところです。

2019/08/01 10:14:15

一首呈上

パトラッシュさん

一人身と なりにし後も 潔く 豊かに生きる 君を嘉(よみ)する

2019/08/01 09:01:42

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