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スノウとエコーの物語 弐 (7/13) 

2019年07月13日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

 5月10日に載せた「スノウとエコーの物語」の続きです。
 スノウは、赤ちゃんが生まれたのだから、きっとエコーは頼もしく変わっていってくれると信じました。エコーも又、できる限りがんばりました。でも元々苦手なものだから、スノウが思っているパパ像には、遠く及んでいませんでした。抱っこも、おむつ替えも、ミルクを作って飲ませるのも、お風呂に入れるのも、いつまでたっても下手でした。相変わらず靴も揃えられないし、何か相談したくても、ちゃんと向き合って聞いてくれないエコーが不安になりました。
 そんなスノウの気持ちを知らないまま、エコーは2週間に一度バスに揺られて、スノウの家に通いました。スノウは半年たったら帰ってくる、それを希望に早く一緒に住みたい一心で、熱心に通いました。スノウも、エコーが来るのを楽しみにしていました。 しかしスノウの身体はなかなか良くならないので、エコーが待つ家に帰るのを延ばすことになりました。エコーはとてもがっかりしました。試しに1週間だけ戻ることになった時も、赤ちゃんの機嫌が悪くて途中で帰ることになりました。エコーはさらにがっかりしました。この時から、寂しくて寂しくてエコーは少しずつおかしくなっていきました。
 身体のことをよく知らない友達の「半年以上帰ってこないなんて、普通じゃないね。酷いね」という言葉を真に受けてしまい、だんだん恨みがましく感じるようになりました。悪いのはスノウだと駄々をこねると、スノウもスノウのお母さんも、
 「エコーに赤ちゃんの面倒が見れますか、スノウがノイローゼになっても良いのですか」
と反論しましたが、それすら悪い意味に受け取ってしまいました。スノウも、なぜ気遣ってくれないのだろうとショックを受けました。
 ずい分と長い月日が経って、スノウは何とかやって行けるめどをつけて、赤ちゃんと一緒にエコーの待つ家に帰りました。エコーは嬉しくてたまりませんでした。エコーは前にもまして、アルバイトに精を出しました。貯金をしたかったのです。アルバイトが終わって家に帰ると、スノウと赤ちゃんがいる、夢のようでした。ある日家に帰ると、スノウの弾んだ声が迎えてくれました。
 「ねえ、エコー、今日はクレープをつくったら、赤ちゃんが2枚も平らげて、おなかポンポコリンになったのよ」
 エコーは幸せでしたが、相変わらず、育児は下手だったし、靴は揃えられないし、スノウの話も適当に聞き流していました。でもそれは、スノウと赤ちゃんが大切じゃないからではなく、分かり合えると信じていたからでした。だって、何も努力をしていなかったのではなく、エコーはエコーなりに、精いっぱいがんばっていたのです。そして、赤ちゃんを一生懸命育てているスノウを、心から素敵だと思い、尊敬し、ますます愛していると感じました。
 春になって、スノウとエコーと赤ちゃんは、飛行機に乗って、遠くに住むエコーの母さんの家に遊びに行きました。母さんはとても喜びました。でもすぐに、心配事ができました。エコーはあまりにパパとしての能力が低くて、朝から晩まで赤ちゃんの前でスノウに叱られているのです。エコーのダメさは、母さんにもよくわかるのですが、だとしても我が子が叱られ続けるさまは、見ていて気持ちが良いことではなく、悲しくなってしまいました。スノウは天から授かったママの才能がある様で、とっても楽しそうにがんばっています。むしろその「赤ちゃん命」のがんばりが、どうかスノウを、赤ちゃんを、エコーを追い詰めませんように、と母さんは祈らずにいられませんでした。
 今日はファーチレ「天地騒々」です。考え込まずに、音とりしてきます。

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