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吾喰楽家の食卓

初めての笑福亭鶴光 

2019年01月12日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

昨日、国立演芸場で正月中席を見た。
正月中席は12月1日、新春国立名人会は10日に、チケットが発売開始された。
発売の順が逆だったら、中席へは行かなかっただろう。
名人会のチケットが、第一希望と第二希望の両方が取れるとは思わなかった。
先に売り出された中席は、受験で云うと滑り止めだった。
本命の合格発表の前に、滑り止めの入学手続をしたようなものだ。

新春国立名人会には、錚々たる噺家が出演した。
講釈師や色物も、しかりである。
でも、中席だって悪くない。
前述の名人会に出演した、笑福亭鶴光と桂文治が出る。
交替出演なので初日は居ないが、瀧川鯉昇も名前を連ねている。
とはいえ、初日は座席の半分が埋まれば上々と思っていたが、団体客が多くて満席に近かった。

トリを勤める鶴光は、上方落語の噺家だが、30数年前から落語芸術協会にも所属し、東京を拠点に活動している。
若い頃は、テレビタレントとして活躍したから、ご存知の方も多いと思う。
上方落語を聞くことは少ないが、一度、見たいと思っていた。
弟子が交替で出演するが、初日は、茶光(前座)、羽光(二ツ目)、里光(真打)が、高座に上がった。
上方落語に階級制度はないが、落語芸術協会会員には階級が決められている。
また、江戸落語にはない、見台、膝隠、小拍子を使う。

鶴光は、長年、東京を拠点に活動しているからか、江戸落語に馴染んだ者でも、違和感がなかった。
また、若い弟子ほど上方色が強く、芸歴が長いほど師匠に芸風が似ていた。
どれも、好感が持てる噺だったが、特に印象に残ったのは、『動物園』を口演した里光である。
虎(orライオン)が歩く仕草があるので、見台や膝隠を使わなかった。
開口一番、茶光の『手水廻し』は、前座とは思えない上手さだ。
滑り止めだったのに、期待以上に楽しめた一日になった。

   *****

写真
1月11日(金)の国立演芸場(玄関・演題)



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