メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

吾喰楽家の食卓

スルメの味 

2018年11月02日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

国立演芸場で、真打昇進披露公演の初日を見た。
この秋、落語協会では、五人の新真打が誕生した。
上席の十日間、新真打が交替でトリを勤めるのだが、誰を見ようか少し考えた。
林家正蔵と柳亭市馬を見たいという理由で、初日を選んだ。
勿論、この日の主役である林家たこ蔵は、初見の噺家だから興味はあった。

仲入り後は、口上から始まった。
兄弟子の林家たけ平(進行役)、伯父の林家種平(師匠の兄弟子)、協会を代表して柳亭市馬が、次々に口上を述べた。
最後に師匠の林家正蔵が、「一度、聞いただけでは、分かり難い噺家だ」と云ったのには、違和感を覚えた。
めでたい席に相応しくないと感じたのだが、その時は師匠の真意が理解できなかった。
でも、たこ蔵の高座を見て納得した。

口上では、顔を上げることもあったが、平伏しているので気が付かなかった。
トリで高座に上がった、たこ蔵の黒紋付姿が、だらしなく見えたのである。
着崩れしているというより、寸法が合っていないようだ。
少し大きすぎるから、何かの事情で、誰かに借りたのだろうか。
噺が進むにつれ、今度は本当に着崩れたので、だらしなさは更に酷くなった。

話を本題に戻すが、この日、高座に上げたのは『鼠穴』である。
人情噺の大ネタで、くすぐりを入れない限り、全く笑いの無い噺だが、好きな演題だ。
今まで、四十日間も披露公演を続けてきてので、何回かは高座に上げたのだろう。
新真打には難しい噺だと思うが、中々の出来で、お約束の場面で泣かせて貰った。
スルメのように、噛めば噛むほど、味が出てくる噺家かも知れない。

あらすじ
http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2004/11/post_37.html

   *****

写真
11月1日(木)の一階ロビーと演題



拍手する


コメントをするにはログインが必要です

PR





上部へ