詩(short poems)

やっぱり人格かなあ!? 

2018年10月17日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

紙魚(しみ)の句で山口波津女に惹かれて、それで彼女の何句かを読みたいと想った私には、写生した世界に人間を配したい波津女のように想われて、それを確認したい強い思いもあると云うか‥

虹立つも消ゆるも音を立てずして  山口波津女

私がこの句の虹に人格を感じるのは波津女が人格を認めているのだろうか‥!?  人格を認める人は温かいと思う。意識するしないでなく自然の内に人格を認める生命と云っていいかも。波津女を得て誓子は居心地の好い日々を手に入れた気がするが、誓子がそれを認識してたか私には分らない。波津女がこの虹に好感を得ていたなら波津女は自然のうちに虹と同化していたかも知れないな。

香水の一滴づつにかくも減る  山口波津女

この句の評者は清水哲男氏でなく松下育男となっている。なるほど、読み手によって評価は変るもんだと思ったが、私はなにもこの句の清水哲夫氏の評を聞いた訳でなくて「これは清水哲男とは違う」と感じただけのこと。と云うことで、私なりに感ずるところを述べておきたい。

香水は高価だ。貧乏人には貧乏人なりに高価な香水、大金持ちには大金持ちなりに高価な香水が手元に置かれる。宝石のように高貴な香水が小瓶に納まっている。だから使うのが勿体なく想えるほど。その一滴を指先か掌に受ける。それを耳元とか項(うなじ)に付ける。精々2〜3滴までだな。

このように大切に大切に想いながら香水を装いつける‥それほどの香水なればこそ‥幸せの時は殊更に速く過ぎていくのであるまいか。虹の句にも感じたが、波津女の周辺にはこのような宝石が溢れていたのかも知れない。世界を観ている波津女ほどに幸せな女性はそうそういるものなのか‥

この女性には世界の何もかもが宝石なのです。かくも美しい宝石が大好きな波津女‥誓子は宝石大好きの妻にあらゆる宝石をプレゼントして歓んでほしくなったに違いない。いやいや、この句を知って私は誓子の気持ちが分かる気がする。稼いで稼いで稼いで波津女に贈りたい誓子だった気がする。

斯くも妻を想って精一杯に頑張っている誓子に橋本多佳子が心を許せても余りに当然だ。いやいや、この私の評は妄想のたま物であって欲しくない。素敵な想いのなかで今回を終えたい。(#^.^#)



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