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役所広司のパワー全開「孤狼の血」 

2018年05月22日 外部ブログ記事
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  ぼくが最初に白石和彌(しらいし かずや)監督の作品にであったのは、2013年作成の「凶悪」という映画。 映画の原作を読んでいたので、内容の濃い保険金がらみのどす黒い欲望で動かされている悪人をどのように表現するのかと、気になって観た。その原作のエネルギーと人間の欲に捕らわれた不気味さも映画は的確に表現していた。俳優のピエール瀧もリリー・フランキーも、役にはまりきっていた。 そして、2016年「日本で一番悪い奴ら」という映画は、同じく実際にあった北海道警の事件を映画化した作品。これは「凶悪」とは逆に映画が先で後から元になった原作を読んだ。正直、映画の方が数段面白く、自分の感性にピッタリはまることが嬉しかった。 そして今回の「孤狼の血」。まず、この「孤狼」の読み方がわかりにくかった。「ころう」と、読む。柚月裕子(ゆづき・ゆうこ)氏が映画「仁義なき戦い」へのオマージュとして描いた同名小説が原作。 舞台は昭和63年の広島の某市。対立する二つの暴力組織、加古村組と尾谷組の抗争の火種となる加古村組系の金融会社社員の失踪事件がおきる。やくざと癒着し、捜査のためなら何をやってもいいとうそぶく刑事大上(役所広司)と新人刑事日岡(松坂桃李)のコンビが事件の真相に迫る。 役所広司も、熱演していたし相棒役の松坂桃李(まつざか とおり)も頑張っていたとは思う。でも松坂が、空手を習っていて実はとても強いというキャラには見えないし、役所広司の『ヤクザも驚くほどの型破りな刑事』もマンガチックすぎて、逆に緊迫感が薄れてしまった。 しかし、この映画の持つパワーは、役所広司の演技の力に頼るところが大きかった。彼は映画出演に関して、このように述べている。 「この企画を頂いた時に、なんか懐かしいなあという気分になりました」「昔の日本映画にはこういうテイストの映画がたくさんありましたが、いつの間にか消えていったような気がします。こういう映画がもう少し増えれば、日本映画はいまよりもさらに活気付くのではないかな」と、日本映画界の未来にも思いを馳せたとの事。 そして、ラストの和太鼓が響く中でのヤクザや警察の殺戮シーンは良かった。太鼓をたたいている女性も色っぽく、もっと時間を割いてもいいと思った。また、相棒役の松坂が怪我をしてそこで治療してくれるアルバイト薬剤師を演じた阿部純子の演技も良かった。綺麗でかわいらしくもあり、色っぽさもあり、これからどんな役でもできそうな幅広さを感じた。 但し疑問をもった場面もあって、それは秘密を吐き出させる為の拷問のシーン。最初に指をちょん切って、脅して語らせる場面がある。指を切られた男は大声で痛がった後、まるで切ったことなど忘れたかのように敵方のヤクザに聞かれた事に普通に会話をしている。 同じく性器に真珠の玉を埋めているヤクザから、マル暴の刑事がナイフでその真珠を取り出し、脅すシーンもあるが、それは気絶するほどに相当痛いはずなのに、その直後に刑事に聞かれた事にはっきりと答えている。 『どんだけ回復力がいいんだよ!出血しながら答えているはずなのに、その冷静さはどうしたの?』と、思わず画面に問いかけたいほどだった。リアル感のなさに気持ちは冷めてしまった。 ぼくは白石和彌監督にはまたリアルな犯罪実録物に戻ってほしいと切実に思った。 

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