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社会の底辺を生きる家族の行く末「MOTHER マザー」 

2024年04月14日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


「MOTHER マザー」 2020年製作 日本長澤まさみと言うと、「コンフィデンスマンJP」の徹底的に明るい女性の役の印象が強い。けれど、この大森立嗣(おおもりたつし)監督の「MOTHER マザー」という映画」では、金と性にだらしない、どうしようもないシングルマザーの毒親を演じている。● 最悪捕まるなら、自分一人で充分母親は、息子を学校にも通わせずホストの恋人を作る。息子は家庭内暴力や性的虐待を受け、最後は母親の実家での祖父母の殺害を命じられ、殺害と金の盗みを実行してしまう。最後の最後まで徹底して悪い親で、「自分は殺しを子供に命じていない」という嘘を裁判で述べている。息子はなぜ、そんな母親から離れることができなかったのか。映画ではその母親の元旦那さんが「お母さんのところを離れてお父さんのところへ来るか?」と尋ねるが、それすら拒否して母親のところへ留まることを選択してしまう。これは2014年に実際に起きた事件をモデルに制作したという。17歳の少年は事件直後に逮捕されたが、彼は小学5年生から義務教育を受けられておらず、行政が居場所を把握できていない「居所不明児童」だったという。彼は殺害した後にこのように母親に話した。「最悪捕まるなら、自分一人で充分。幸子さん(少年は当時、母親をこう呼んでいた)は『自分は関係ない』と言ってくれればいい。そしたら結衣(仮名:妹)のことはお願いね」。母親は「そんな変なこと言うなよ」と涙ぐんだ。会話の最後に「お前も認めるなよ」と言ったという。勉学に手を差し伸べてくれた市役所児童相談課の女性からも結局は離れてしまい、母親に従属してしまう。「母親の支配に耐え続ける」その謎に対する答えはわからないままに見終わってしまった。長澤まさみが演じる母親の、自分勝手な狂気だけが強く映像と共に残った。● この手と昔手をつないで歩いたな実際の事件は2014年に起きている。元毎日新聞記者の山寺香氏著作の「誰もボクを見ていない なぜ17歳の少年は、祖父母を殺害したのか 」を参考に映画は作られたという。少年の告白にはこのような生々しい告白がある。「廊下に出て和子(祖母)に声をかけ、キッチンに呼び出し、背後から延長コードで首を絞めた。首を絞めている最中に和子の手が自分の手に触れてきて、一瞬だったが、「この手と昔手をつないで歩いたな」と思った。しかし、意識を切り替え死んでもらうことだけを考え、キッチンにあった包丁を使って刺した。どうやって刺せば人が殺せるかなどという知識はなく、「包丁が深く刺されば死ぬのかな」と、幼稚なことしか考えなかった。しかし、包丁はうまく刺さらず、「コルセットを巻いているせいだ」と考え、別の細い包丁を手に取り再び刺した。その時の手の感触は今も残っている。」映画では、裁判の後の少年の話は描かれていないので、この少年と母親の現在が気になった。また少年と母親は、この映画にどのような感想を持ったのだろうか。。実際の事件の検索をして、この少年を救いたい支援したいという大人が複数人現れたということを山寺香氏の記事で知った。しかし、少年は支援者に感謝しながらも、裁判や手記では「人を信じて裏切られ、傷つくのが怖い」「どうせいつか関係が切れるなら、今壊したほうがいいという破壊衝動に駆られる」などと胸の内を語った。長く続いた虐待は、少年から人を信じ心を通わせることの喜びを奪っていたという。山寺氏は、さいたま地裁での裁判員裁判で少年が育った境遇の悲惨さを知って衝撃を受け、当時、拘置所にいた少年と面会や手紙のやり取りを始める。その中で感じたことはわざと自分との関係を引き離そうとしているとの事だった。少年との手紙は、主に山寺氏の質問に少年が答える形でのやり取りだった。「普通にやり取りが続いても、一つ記事が載るごとに、わざとこちらを怒らせるようなことを書き、自分から関係を断とうとしているように感じることもあった。」と、述べている。まるで「必要な情報は得られたでしょう。ボクはあなたにとってもう利用価値はないですよ」と言っているようだったという。そして山寺香氏はこのような感想を述べている。「今回、少年を取材し本を書くという作業を通し、私は身をもって「一歩踏み出す」ことへの恐れや難しさを体験していたのかもしれない。踏み出すことで負う(負ったと自分が感じる)責任はあるが、その先には思ってもみなかった大切な出会いや「気づき」があり、私を支えてくれた。」『事件の悲惨さを描き、世に問うことも大切な事だけれど、それ以上にこの少年が事件後に新聞記者・山寺香氏と出会った事により二人がどのように考え方が変わったのかを描く事も大切だったのではないか』と、思わせる映画であった。参照:指示され祖父母刺殺、17歳少年の苛酷な生活        「母親と妹を生き延びさせるために必要な悪だ」祖父母を刺殺した少年 

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