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吾喰楽家の食卓
名人候補生
2018年04月06日
テーマ:古典芸能
師匠に勘当され、修行の旅に出た腰元彫りの宗三郎は、文無しで泊まった旅籠の主人に見込まれ、世話になることにした。
寝食と仕事場を提供され、腰元彫りの修行に励んだ。
主人は、旅籠に泊まった紀州の殿様の御留守役に、宗三郎を売り込んだ。
御留守役の計らいで、那智の滝を彫り込んだ、刀の鍔の注文を受けた。
主人と御留守役が納得した第一作だったが、殿様は気に入らず、作り直せと命じた。
宗三郎は、「酒を断ち、水行して」という主人の勧めに従わず、酒の勢いで彫り上げてしまった。
本人は元より、二人にも第二作の方が、出来が良いように思えた。
ところが、殿様は、再度、駄目だという。
またもや、酒の勢いで彫ろうとしたので、主人が叱りつけると、宗三郎は出て行ってしまった。
宗三郎は那智の滝に打たれ、二十一日の断食修行の末、主人のところに戻った。
酒は勿論、食事も取らず、七日後に第三作が仕上がった。
これで納まらなかったら、腹を切る覚悟をした宗三郎の自信作だった。
主人と御留守役には、前作より劣るようにしか見えなかった。
ところが、殿様はお気に召し、紀州家のお抱え職人になった。
このことを知った江戸の師匠は喜び、“二代目宗みん”を宗三郎に譲ったという出世話である。
第三作は、宗三郎が命を懸けた作品である。
落語では、鍔を持つ殿様の手が冷たくなり、紙の上に置くと、それが湿ったと説明していた。
科学的には、あり得ないことである。
一見、見劣りする鍔だった。
目の肥えた殿様の心を打つ、何かがあったのだろう。
林家正蔵の口演の出来について、以下、私見を述べたい。
事前に演題を公表する、いわゆる、ネタ出しで、期間中は同じ噺で通す。
ネタ出しの場合、大ネタを選ぶのが一般的である。
だから、稽古も充分に積んで公演に臨んだはずだ。
それでも、初日の緊張感から解放されたのか、一日よりも二日の方が出来は良かったと感じた。
問題は五日で、宗三郎の彫った兎を見た主人が、感想を云うところで云い間違えた。
「虎は強く、兎は可愛く見せなければいけない」の次に、「でも、この兎は可愛くない」と云うべきところを、「この虎は・・・」と遣ってしまった。
勿論、トリを勤める噺家だから、慌てずに云い直した。
このように、諸に間違えると、聴き手の集中している気持がそがれてしまう。
以前、テレビで見た、如何に音程を外さずに歌うか、如何にミスタッチなくピアノを弾くか、競い合う番組を思い出した。
その意味では、正蔵の出来は三回目が一番悪かった。
しかし、宗三郎の三作目と同じく、昨日の正蔵には、一見、出来が悪そうでも、一番、心に響くものがあった。
歌でも、ピアノでも、如何に感情を込めるかが重要だと思う。
テレビでは、持ち歌を歌ったプロ歌手の方が、得点は悪い場合もあったけど、感情の伝わり方は、高得点のアマチュアよりも勝っていたと感じた。
正蔵は、「広辞苑には、『名人とは技芸にすぐれて名のある人』とある」と、マクラで云った。
更に、神懸る要素も必要と続けたが、私は、年齢も忘れてはいけないと思う。
その意味で、現役の噺家では、柳家小三治、桂歌丸、更に、身贔屓を承知で云うと、三遊亭鳳楽などが、名人だろう。
今回、正蔵の高座を、初日、二日目、五日目と、短い間に三回見て、前述の三人との差を感じた。
それでも、名人を目指している姿勢に触れられたのは、三日間の収穫である。
*****
4月5日(木)の昼餉(鮪と蛍烏賊丼)と上席の演題
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シシーマニアさんへ
おはようございます。
聴いていて、噺家が精神論を押し付けたという感じは、受けませんでした。
鍔をもった殿様の手が冷たくなったり、紙が湿った件(くだり)では、笑いが出ました。
もっとも、現代の人間が口演し、聴くのですから、当たり前かも知れません。
昨夜、YouTubeで、古今亭志ん朝の『宗みんの滝』を観ました。
彼は、「眉唾ですが」と、付け加えていました。
2018/04/07 06:40:48
名人
滝に打たれて修行し、腹を切る覚悟をして仕上げた、三度目の作品が認められた。
そういった精神論は、儒教の影響なのでしょうか。日本の故事に多い気がします。
何処の社会にもある、通念なのかしら、と改めて考えました。
ある意味、象徴的ですよね。
私の属する西洋音楽の社会では、ちょっと違う気がするのです。
でもこれは私にとって、考えてみるべき課題です。
問題提起、ありがとうございました。
2018/04/07 06:20:56
パトラッシュさんへ
こんにちは。
この種のことは、どの程度書いても良いか、躊躇します。
と云って、嘘は書きたくありません。
実は、三日ではないのです。
詳細は、明日のブログで書く予定です。
でも、正蔵さんに伝えても、しょうがないと思いますよ。
方法なら、はな平さん経由という手もあります。
2018/04/06 13:41:23
忘我の境にあり
正蔵さん、つい、とちったのかも知れません。
そこを過大に貶めずに、噺を概括的に捉えた、貴兄の批評態度こそ、褒められるべきでしょう。
既にして「通」の域に入りつつある。
そんな印象を受けます。
正蔵さんに対し「宗〜の滝」目当てに、国立へ、三日通ったファンが居たこと、
そして、その批評を伝えてやりたいです。
しかし、適当な方法が、思い浮かびません。
2018/04/06 12:06:11
湯好屋三助其の2さんへ
おはようございます。
私の悪い癖かも知れませんが、短期間に3回も見ると、ついつい、粗探しをしてしまいます。
前座さんが間違え、噺が滅茶苦茶になった高座を見たことがあります。
流石に真打は、対応が上手です。
気が付かないお客さんが、居たかも知れません。
2018/04/06 09:18:12
ゆりかごの夢さんへ
おはようございます。
滑稽噺ならともかく、人情噺で諸に間違えると、気になります。
もっとも、落語ではなく、我々の日常会話でも云い間違いはあるのですが・・・
2018/04/06 08:20:59
良い収穫を
おはようございます。
正蔵の顔が浮かびました。
肝心な所で 虎と兎、本人の気持ちを
察してしまいます。
那智の滝へは行った事があります。
そこで修行した宗三郎の刀の
お話は良かったですね。
2018/04/06 08:03:45