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吾喰楽家の食卓

『落語小説・江島屋』を読んで 

2017年07月27日 ナビトモブログ記事
テーマ:生活

わが家の寝室には、エアコンが付いていない。
当地、連日の真夏日だが、その中には猛暑日も少なくない。
寝室は二階にあるので、窓を開けて寝ていた。
ところが、夜になっても、室温は三十度を超える日が続いた。
とてもじゃないが、寝ていられない。

一週間ほど前から、一階の和室で寝ている。
わが家で唯一の和室で、客間として使っているが、エアコンは付いている。
ここ数日、暑さを避け、午後八時頃から和室に入っている。
一、二時間、読書をしてから寝ようと思ってのことだが、一頁も読まない内に眠くなってしまう。
前置きが長くなったが、昨夜は違った。

   *****

金原亭伯楽という現役落語家が書いた、『落語小説・江島屋』を読み始めたら、止められなくなった。
伯楽は、先代馬生の筆頭弟子だが、長いこと桂太の名前で、テレビやラジオで活躍していたから、ご存知の方も多いと思う。
落語協会の分裂騒動を題材に、『小説・落語協団騒動記』も、書いている。
一昨年の国立演芸場で、著者が自ら仮設の売場に立ち、サイン本を販売したことがあった。
本を買う時、少しお喋りをさせて貰った縁で、先日、古書店で『落語小説・江島屋』を見つけ、直ぐに飛びついた。

『落語小説・江島屋』は、三遊亭圓朝が口演した、怪談噺の一節『江島屋』を題材にしている。
いかもの(偽物)の花嫁衣裳を掴まされ、それが元で娘を亡くした母親が、江島屋を呪う噺である。
ところが、小説では、怪談噺に登場しない小間物屋が大活躍する。
また、江戸の庶民生活や地名などが、分かり易く書かれているのも興味深い。
何とも読後感の良い小説だった。

読後感は良かったが、校正不足と思われる問題点もある。
前半に複数回、「跡をつける」とあるのに、後半は「後をつける」に替わった。
他にも、修繕だから「直す」とすべきところを、治療の意味の「治す」を使っていた。
また、文法上の問題点が、地の文章の数ヶ所に見受けられた。
とはいえ、この小説の面白さを損なうほどではなく、時代小説ファンに、是非、読んで頂きたい一冊である。

   *****

写真
7月26日(水)の昼餉(なめこおろし蕎麦)と夕餉(ブリの刺身)



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