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男と女　

2016年05月29日
テーマ：テーマ無し

曇り時々晴れの
落ち着かない一日。

いつものコーヒーショップへ
向かう途中、
３０代ぐらいの女とすれ違い、
やり過ごしてから振り向き、
後ろ姿を見送る。

２０年近くも前のことだし、
何よりこの世に居ないし、
それでも、
昔の女に良く似ている。

角を曲がるとき
チラっと見えた横顔も
何となく似ている。

そろそろ
お迎えかなあ、なんて…

コーヒーショップで
カメラマンと雑談。

昔の女に似ている女とすれ違った、と言うと、
かつての経緯を
全て知っているカメラマンは、
昔の女の幻を見るなんて、ヤバイぜ、と
指をさす。

その点、オレなんか
自慢じゃないが
知ってる女を見間違うなんてないし、
相手も同じだぜ…と、そり返る。

そう言えばカメラマンは昔から
見た目のキレイさだけで
声をかけてきたっけ。

だから
付き合っては別れ、の繰り返し。

男も女も
見た目より相性の合うことが
何より長続きする秘訣かな、なんて
分かったようなことを思ったりして。

昔、”男と女”って映画があったろ、
そんな映画のワンシーンみたいな
ひとときもあったのさ、オレたちには…

ハゲには分からないだろうな
男と女の微妙な心理なんて…と
遠くを見ながら言うと、
越後の田舎者が
都会の恋を語るなんて笑わせるじゃん、
畑の中で四葉のクローバーを
捜しっこしてるのが似合いだぜ…の
宣戦布告。

それからは、
猫背は恋をしちゃいかんだの、
歯がヤニだらけだの、
頻尿だの、左巻きだの、老眼だの、
え〜っと、え〜っと、健忘症だの…と
みっともない言い合い。


ＢＧＭに
”男と女”のテーマ曲をかけながら
田舎もんだって
都会の恋をしたことはあるんだぜ、なあ、
と天に向かって呟いたら、
しなきゃよかった恋もあるんよ、と
女の声が聞こえたような…

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