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晩春 

2016年04月04日 ナビトモブログ記事
テーマ:ドラマ

映画ファンの皆さん、おはようございます!

今日は二十四節気の一つ”清明”。
この時期は天も地も、清々しい明るい空気が
満ちるという季節。
”生命”につながるようで自然と元気が出て来ます。

今日の映画紹介は「晩春」。
BSプレミアムで2016年4月4日(月)13:00〜放送。

ご存知、小津安二郎監督が初めて描く、
娘の結婚を巡るホームドラマ。
本作および『麦秋』(1951年)、
『東京物語』(1953年)で原節子が演じた
ヒロインの名前が「紀子」なので、
この3作品をまとめて「紀子三部作」と呼ばれています。

原作は広津和郎の「父と娘」。

早くから妻を亡くした大学教授の
曽宮周吉(笠智衆)は北鎌倉で
娘の紀子(原節子)と二人で住んでいた。

身体が弱かった娘の紀子は結婚することもなく
27歳となった今でも父につくし、
父は娘の面倒をみて、仲睦まじく暮らしていた。

周吉の妹、田口まさ(杉浦春子)も
曽宮家に出入りしていろいろと生活の面倒をみていた。
このごろでは紀子も元気になり、
同級生であり友達でもあり、離婚歴のある
北川アヤ(月丘夢路)と行き来していた。

そんな中、周吉の親友で大学教授の
小野寺(三島雅夫)が京都から上京して来た。
紀子は後妻をもらった小野寺を不潔と言うのだったが。

まさは茶会で知った未亡人の三輪秋子 (三宅邦子)を
兄の周吉の後添いにと考えていた。
それを紀子に、彼女の結婚を進めながら話してみたが、
紀子は自分の結婚よりも父の再婚が気になっていた。

周吉はそんな紀子へ結婚を勧める。

”まぁ、一度会ってごらん、
いやだったら断ったらいいじゃないか”の言葉に、
逃げるように立ち上がる紀子。

”紀子ちょっとおいで、お座り”。
”叔母さんからも聞いただろうが、佐竹と言うんだ。
お父さんも会ってみたが、なかなか立派ないい男なんだ。
あれなら、お前としても不満はなかろうと思うんだ。
とにかく、明後日行って会ってごらんよ。
お前も、いつまでもこのまま居られないだろうし。
いずれはお嫁に行ってもらわなければならないんだ。
ちょうど、いい時だと思うんだが、どうだろう
叔母さんも大変心配してくれてんだ、なぁ〜”。

”でも、わたしこのまま、一緒にお父さんといたい”。
”そうは、いかんさ、そりゃ、
 お前が居てくれれば重宝なんだが”。
”だったら、わたしはこのままで”。
”そりゃ、いかんよ。お父さんもいままで、お前を
 重宝に使い過ぎて、つい手放しくくなっちゃてね。
 すまんことだと思っているんだ。
 もう、行ってもらわないと、
 お父さんとしても困るんだよ”。

”だけど、あたしが行っちゃったら、
 お父さんどうなさるの”。
”お父さんはいいさ”。
”いいって”。。
”どうにかなるさ”
”それじゃ、あたし行けないわ”。
”どうして”。

と心配する紀子へ、周吉は再婚する意志があることを
それとなく伝える。

互いに相手を思いやる心。
紀子の揺れ動く心模様を原節子は
見事に表情で表していますね。

小津監督が原節子と初めてコンビを組んだ作品で、
小津映画のスタイルが確立された映画です。

ローアングルで映し出される画面に
人物ショットの反復や、
空舞台と呼ばれる風景カットの挿入などの
映像スタイルは、魅せられます。

アクション大好きな私ですが、真逆の
淡々と描かれる、静のたたずまいも心に響きます。

ラストシーンの周吉の姿には、
自分の姿がダブリ、泣けました。



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