メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

流老記

よくある話 

2016年03月17日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

朝から晴れ、で
きょうは暖かい一日。

四月並みの気温とかで
歩くと汗ばむほど。

フラフラと徘徊の予行練習で
電車とバスの行き当たり散歩。

それでも6千歩弱は
少ないかな。

里山の頂から
丹沢山塊と、その向こうの富士には
まだ多くの雪が見える。

例によって
歩き始めはキツかったけれど
ゆっくり急がずで、徐々に慣れてきた。

やはり
人間は歩くことが基本だなあ。

街道沿いの古びた雑貨屋に
菓子パンを見つけたので
声を掛けながら入る。

奥の方で話し声が聞こえ、
やがて、
八十は越えているだろう
小さなお婆ちゃんが杖を頼りに出てきた。

お茶のペットボトルと
菓子パンを二つほど頼み、
そばの傾いたテーブルを指差し
ここで食べてもいいかな、と聞きながら
座り心地の悪い椅子に腰かける。

少しすると、
40代ぐらいの女性が
香水の香りと共に出てきて、
じゃあ、おばあちゃん考えておいてね、
また来るから…と言いながら
こっちに一応の会釈をして出て行った。

キレイな娘さんだねえ、なんて
下を向き黙っているお婆ちゃんに
お愛想を言ってみる。

歳は取りたくないねえ、と
ボソッと呟いた。

ポツポツ話を聞くと、
この店と土地を売り
一軒家を駅近くに建てて
3世代同居しないか、みたいな
よくある話。

死んだ爺さんの匂いが残る
この家で死にたい、らしいのも
よくある話。

小一時間ほどで、よくある話を終え
ごちそうさん、と言いながら、
それでも…
家族が居るだけいいんだよ、お婆ちゃん、と
言って外へ出る。

ひとりで居るときは感じないのに
人の中に居ると感じる孤独が
ジワジワと強くなってきたのも、
歳のせいかなあ。

世間様の
よくある話さえもないことが
少し寂しいわい。

連休中に桜が咲くそうだが、
67回目の桜を見られるとは…
よくある話かも。



拍手する


コメントをするにはログインが必要です

PR







掲載されている画像

    もっと見る

上部へ