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「ロッキー」から「クリード チャンプを継ぐ男」 

2016年01月26日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


◎「クリード チャンプを継ぐ男」  ( 原題:CREED  )監督  :ライアン・クーグラー    2015年 アメリカ キャスト:マイケル・B・ジョーダン、シルベスター・スタローン、テッサ・トンプソン シルヴェスター・スタローンの代表作『ロッキー』シリーズの新章となる人間ドラマが、「クリード チャンプを継ぐ男」。スタローン演じるロッキーが、幾度も死闘を繰り広げたライバルであるアポロの息子のトレーナーとなり、新たな夢に向かって歩み出す姿を描く。今回はロッキーのライバルであったアポロの息子を演じるマイケル・B・ジョーダンが主人公、しかし主役オーラは断然、シルベスター・スタローン。ぼくはマイケルではなく、画面でアポロの息子をトレーニングし、病気と闘うシルベスター・スタローンを眼で追っていた。69歳といえど、スターローンはまだまだカッコ良くて、年齢には負けないという事を体で証明しているスターだ。ところで、スターローンは意外な事に監督のライアン・クーグラーにこの役のオファーを受けたときは、「やりたくなかった」と、インタビューに答えている。スタローンは2012年7月に36歳だった息子セイジを心臓発作で亡くしている。監督からオファーを受けた後だったため、「しばらく時間がかかった。本当にやりたくなかった。たまらなく悲痛で辛いことだ。区切りがつかない。何の施しようもない」 と当時を振り返った。しかし演技に救われたという。「演技というのは、演技することで解放されるという素晴らしさがある。演技することで慰みを得ることが出来る」と語っている。● 自分が主演することにこだわりスターローンがロッキーシリーズの1作目の脚本を考えたときは30歳だった。その当時は、彼は無名の売れない俳優でしかなかった。身長も170センチで大きくはなく、顔が分娩時の事故で顔の右半分が麻痺していて、セリフが不明瞭、出演作は少なくポルノやゲテもの映画ばかりだった。食うために動物園でライオンの檻掃除までしたという。貧しさのなかで妻は妊娠した。出口の見えないどん底で、スターローンは「イージー・ライダー」(1969年)を観た。三十路を迎えた売れない俳優二人が制作・脚本・監督・主演した低予算映画が、いきなりハリウッドの大作を超えるヒット作となった事にスターローンは奮い立った。「オレに会う映画がないなのなら、自分で書けばいいんだ」彼は、シナリオを書き始めた。書き上った脚本の数は30を超えた。次から次へと映画会社に送ったが梨のつぶてだった。そんなとき、スターローンは、モハメド・アリと15ラウンド戦った無名の男のウェプナーの試合を観た。その興奮を逃さないように、その夜から彼はシナリオを書き始めた。スターローンは三日三晩、一睡もせずに一気に「ロッキー」を書き上げた。スターローンは自分が主演することにこだわった。ユナイテッド・アーティストの社長は「スタなんとかいう馬の骨の映画に金は出せない」と冷たかった。「せいぜい百万ドルが限界だ」MGMのプロデューサーであるウィンクラーとチャートフはスターローンに賭けてみることにした。彼らは、自宅を抵当に入れて『ロッキー』の制作を開始した。監督には、ポルノ出身で厳しい予算の制作に慣れたジョン・G・アヴィルドセンが選ばれた。俳優には名のあるスターを一人も使えなかった。この時点では全員、「低予算だが静かな感動を与える小品」としてしか考えていなかったという。予想に反して大ヒットとなり、スターローンは、この1作で大スターとなった。アメリカだけで製作費の百倍以上の1億二千万ドルを稼ぎだした。スターローンは主演男優賞と脚本賞にノミネート。結局、作品賞など三部門を受賞し、ウィンクラーはオスカーをつかんだ。彼は「本当に奇跡のような絶妙なタイミングだった」と回想する。と、いうような事情が町山智浩の「<映画の見方>がわかる本」に書かれている。● 私がこの役を演じるべき今回の映画『クリード』の話にもどるけど、アポロの息子の恋人役を演じたテッサ・トンプソンも、笑顔が良くて眼が活きていて、忘れられない。ライブハウスで体を揺らし歌う場面にしびれた。あまりに歌がうまいので、『歌は、吹き替え?』と、疑ったのだが、本人が歌っている。彼女はインタビューでこのように答えている。「私はコート・ア・ゴーストというこのバンドに2年半ほど在籍しています。この作品のオーディションを受けた時、監督はミュージシャンをキャスティングすることに興味があると言っていました。ならば私がこの役を演じるべきだと彼を説得し、少し経った後に彼の方から電話があり、作曲家やプロデューサーと一緒にスタジオに入って欲しいと依頼されたのです。締め切りと戦いながらも、映画向けに楽曲を手掛けることは本当にユニークな挑戦でした。いくつかの場面で恐ろしくも感じ、また、とても楽しくもありました。」テッサ・トンプソンの歌をもう一度、聞きたいので、もう一度劇場で観たいと思うほどだ。こうしてみると、やはりもう少し主人公に魅力があれば、とぼくは思う。体の筋肉はいいんだけど、その体以上にこちらに訴えてくるものが今ひとつ弱い。周りを固める人がよかっただけに、残念。ということで、映画の評価は75点。なお、MGMは映画『クリード チャンプを継ぐ男』の続編の公開を2017年11月に設定している。参照:映画 『クリード チャンプを継ぐ男』に出演のテッサ・トンプソンが作中で歌を披露 PR:エルシーラブコスメティック新商品情報    映画の見方がわかる本―『2001年宇宙の旅』から『未知との遭遇』まで (映画秘宝COLLECTION) 関連:人間の尊厳を描く「ブリッジ・オブ・スパイ」     希望を抱けた『キングスマン』     ターミネーター、新起動せず、寝に死す     リアルすぎる恐竜達、「ジュラシック・ワールド」     「ミッション:インポッシブル」に現れた新ヒロイン      緊張感と、とんでもない傑作「セッション」     だまされる快感「フォーカス」     『ワイルド・スピード SKY MISSION』20億円突破!     「アメリカン・スナイパー」、緊迫感の快感

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