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吾喰楽家の食卓

二度目の“髪結新三”(後編) 

2015年03月29日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

歌舞伎は落語と同じで、筋が解っている演目を、繰り返し観ても面白いはずだと思っている。
“髪結新三”の入場券を予約した後、三階最後列の値段を知り、二度観ることにした。
とにかく、安い。
二枚目の入場券を予約したのは、歌舞伎を観たことがない頃のことである。
初めて観る歌舞伎の席は花道の脇なので、三階最後列から観ると違った趣があると思った。
観る間隔は空けた方が良いと考え、二度目の“髪結新三”は 千穐楽を選んだ。
今回の公演の最終日だから、何かサプライズがあるかもしれないと、淡い期待もあった。

膝が前席の背もたれに、ぶつかるのは意外だった。
花道脇の席より、かなり狭い。
舞台から遠いことは、あまり気にならなかった。
舞台全体が、見渡せるのがいい。
この席でも、十分に楽しめる。
持って行ったオペラグラスは、何度か使っただけだった。
千穐楽だからだろうか、回数を重ねたことで、役者の演技に余裕を感じた。
もっとも、歌舞伎を観るのが、今回で二度目の人間が云うことだから、当たっているかは定かでない。

髪結新三(橋之助)と家主長兵衛(團蔵)の掛け合いは、前回と同様、実に巧みだ。
一番の見どころである。
下剃勝奴(国生)の演技は、前回より上手くなったように思う。
新三との遣り取りが、スムーズになっている。
前回と明らかに違っていたのは、アドリブだった。
長兵衛が酒を飲みながら、「美味い酒だね」と云うと、新三は「剣菱です」と返した。
前回は、八海山だった。
剣菱酒造も、スポンサーなのだろう。
次に、長兵衛が初鰹を食べた。
何の魚か遠くからは判らないが、本物の刺身を食べてから「まいうー」と云い、笑いを誘った。
前回は、なかった台詞だ。

“髪結新三”の次は、歌舞伎舞踏の“三人形”(みつにんぎょう)である。
若衆(錦之助)、奴(国生)、傾城(児太郎)の三人だ。
奴の元気が、前回ほどでないように感じた。
それでも、かなり激しい踊りだ。
息遣いが判るほど近くで観たのと、最後列で観る差かもしれない。
中入りを含め、四時間の舞台が終わった。
千穐楽とはいえ、何もサプライズはなかった。
それでも、今回も充分に楽しめた。

写真
国立劇場の桜と、3月27日(金)の超手抜きの夕餉



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喜美さんへ

吾喰楽さん

こんにちは。

いやいや、通には程遠いですよ。
大した勉強など、していません。
あらかじめ、筋を調べただけです。
その方が、観ても面白味があると、聞いたものですから。

2015/03/29 14:34:43

歌舞伎

喜美さん

私は1回ボンヤリお付き合いで見ただけですけれど
語喰さんは凄く勉強していますね
この次見たらもう通の仲間入りです

2015/03/29 14:22:13

シシーマニアさん

吾喰楽さん

こんにちは。

オペラ座は勿論ですが、立見席自体の経験はありません。
疲れるんでしょうね。

初めての歌舞伎で、花道脇と最後列という、両極端な席で観られて、それぞれの良さを味わいました。
でも、俯瞰図的な席という意味では、二階の最前列も魅力です。
「いつか」とは、思っています。

昔、有楽町の日劇は、かなり距離がありました。
それに比べると、国立劇場は、見やすいです。

2015/03/29 12:22:29

天井桟敷

シシーマニアさん

私は、天井桟敷育ちなので、俯瞰図的な席には愛着があります。ウィーンのオペラ座では、いつも立見席でしたから・・。
でも、アイコンタクトができるほどの席は、高いだけの事はありますね。
演奏会では、ホール全体のの響きがわからないので、前の席は好まれません。それでも、息遣いが感じられる近くの席は、魅力がありますけれど・・。

2015/03/29 12:12:00

SOYOKAZEさんへ

吾喰楽さん

今回の鑑賞教室は、社会人や外国人を対象にした、夜間公演があります。
また、7月には「親子で楽しむ歌舞伎教室」も用意されています。
一般を対象にした鑑賞教室が、どの程度の解説があるかは、解りません。

6月公演の予約は、5月6日からです。
詳細は、後日ということに。

2015/03/29 10:53:40

さん

中学生の頃、歌舞伎座で「中学生の為の歌舞伎教室」という催しがあって、顧問の先生に連れられて、演劇部の仲間と行って来ました。

一階の真ん中、前から3番目くらいで、少し首が痛くなるような席でしたが、それだけに、舞台の天井部分まで、よく見えました。

普段は見られない御簾を上げて下座音楽の席も見られたし、音響について、(波の音とか雪の降る音、幽霊が出る音など)
実際に、雪を降らせる舞台裏や回り舞台やセリについてなど、それはそれは面白かったです。

隈取なども、役柄によって違う事、など基本の基は教えて頂きましたが、実際の舞台は記憶にありません。

吾喰楽さんがいらっしゃる時に、チケット二枚は買えないのでしょうか?

2015/03/29 10:04:21

パトラッシュさんへ

吾喰楽さん

おはようございます。

視界は良いですね。
花道も、見えました。

6月(片岡孝太郎・坂東亀三郎)と7月(尾上菊之助・中村梅枝)は、初心者むきの鑑賞教室です。
何れも一幕しかなく、一日二回公演があります。
勿論、その分、安いです。
プログラム、歌舞伎読本、解説が付いています。

具体的には決めていませんが、また、複数回、観るかもしれません。

2015/03/29 09:22:27

Reiさんへ

吾喰楽さん

おはようございます。

国立劇場は歌舞伎座より安いので、私のような初心者に向いていると思います。
4月は、歌舞伎公演がありません。
隣接する国立演芸場へ行くことにしました。
上席(正蔵)、中席(歌丸)、名人会(圓歌)です。

2015/03/29 09:14:31

SOYOKAZEさんへ

吾喰楽さん

おはようございます。

三階でも、充分に楽しめました。
それぞれの良さがありますが、どちらか一回といえば、花道を選びます。
もし、都内に住んでいたら、毎週、三階席に通っても良いと思いましたよ。

私は、身長の割には、足が短いのです。
それでも、足がぶつかりました。
幸い、左隣が空いていたので助かりました。
チケットは、売れていたのですが。

2015/03/29 09:07:23

またどうぞ

パトラッシュさん

国立劇場の最後部には、私も座ったことがあります。
確かに狭い。
しかし視界は悪くありませんでした。
他劇場では、少し見えにくい時もあるのですが。

演技の細かいところまで、目が行ったようですね。
芝居通になる素質は、十分におありのようです。

壺阪霊験記も千本桜も、いい狂言です。
是非、ご覧になって下さい。

2015/03/29 08:54:56

よかったです

Reiさん

二度目の歌舞伎も楽しまれたようですね。

歌舞伎に興味のなかった私も、こうして解説を聞いていると、面白そうだなと思います。
いつか観てみたいですね。

2015/03/29 08:52:36

二度目

さん

おはようございます。

二度目の観劇も楽しめたようですね。
役者のアドリブも、乗りも、毎回のように違います。
舞台は生き物だと感じます。

席によっての違いは如何でした?
全体を俯瞰できる良さ、間近で役者の息遣いを感じる良さ、違った趣も楽しめましたか?

私は、自分が演劇をやっていたせいか?細かい表情が見えない席は、ミュージカルなどではよいけれど、物足りなく感じます。
でも、通は「大向うを唸らせる」という言葉があるくらいだから、遠い席に何度も通うお客様なのでしょうか?

今は足の長い若者も増えました。
席は、もう少し広くてもねぇ・・・

2015/03/29 08:52:25

マリーさんへ

吾喰楽さん

おはようございます。

国立劇場は、4月と5月は公演がありません。
6月と7月に、“歌舞伎鑑賞教室”があります。
演目は「壺坂霊験記」と「義経千本桜」です。
まだ、どうするか決めていません。

2015/03/29 07:37:06

まこさんへ

吾喰楽さん

おはようございます。

今回で2回目ですから、素人もいいところです。
国立劇場は、歌舞伎の公演が毎月はありません。
歌舞伎座へ行けば良いのですが、高いんですよ。

2015/03/29 07:31:43

アドリブ

さん

歌舞伎にアドリブはよく使われますね。
三津五郎さんがスマホを手に面白いことを言っていたのを今思い出しました(._.)

3度目はどの演目にするのでしょうか?

2015/03/29 07:29:42

おはようございます

まこさん

極喰楽さん〜歌舞伎も見られるとの事、勉強熱心ですね。
何でも見て楽しんでいいことです。
私は見た事がありませんが、見てるうちに面白くなって入り込んで行きそうですね。
楽しんで下さいませ☆

2015/03/29 07:28:56

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