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むぅびぃ・とりっぷ

「詐欺の帝王」は「裏社会の金の帝王」 

2014年11月02日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

「詐欺」という2文字の醸し出すイメージは、なかなか刺激的だ。
それは、殺人とは違って、暴力ではなく人間の人の言葉を信じやすい
盲点を突くような、知能で勝負するようなイメージがあるからだ。

そして、今までその犯罪は暴力団とは無関係に、多くは個人的に企てる
犯罪に思えたのだが、最近は暴力団や、暴力団に所属せずに犯罪を繰り
返す「半グレ」も絡んでかなり組織的な犯罪になっているようだ。

というわけで、溝口敦(あつし)著作の「詐欺の帝王」という本を買っ
た。これは著者が詐欺の実態を調査するうちに出会った、一人の詐欺を
本職とした男の話を書いている。

詐欺の被害は、年々増加しているとの事だ。
最近のニュースにも、今年の上半期(1〜6月)の詐欺全体の件数は前年
に比べて約1割増加し、5682件、被害総額は約3割増加したという。

被害総額は、振り込め詐欺約161億円と振り込め詐欺以外の特殊詐欺約
108億円を合わせて約268億円にもなっている。たぶん他にも届出がない
ケースなども想定され、この金額以上に思える。しかも、首謀格の摘発
はわずか4%にとどまり、非常に深刻な状況だという。
 
ところで、この本に出てくる本藤彰(仮名)という男の話が、面白い。
最初はイベントサークルのパーティ券にてうまみを知る。
但し、そこから早大元「スーパーフリー」の和田真一郎と知り合ったこ
とから、大学卒業後にせっかく入った大手広告会社にて、左遷されて
しまう。

SPAのインタビューにて、彼はこのように答えている。

――本藤氏のこれまでの経歴について教えてください。

本藤:大学時代、イベントサークルをまとめ上げて、合同イベントを企画
したりしていました。例えば50サークルを集めて、六本木の大箱を6時間
120万円で借りる。
その売値を200万円にして参加サークルに割り振って、自分で1回のイベ
ントで80万円儲けるなんてこともやっていました。早稲田のスーフリの
ケツモチもしていましたね。

――大学卒業後は?

本藤:大学卒業後は広告代理店に勤めていましたが、スーフリ事件との
関与を疑われて左遷されました。それで広告代理店は退社して、学生時代
に蓄えていた資金で何か新しい仕事を始めようと思ったんです。

――新しい仕事とは?

本藤:トバシのケータイと匿名の銀行口座、多重債務者の名簿の“三種の
神器”を片手に、ヤミ金を開業しました。最初は6人ぐらいのチームで
月の売り上げが800万円くらいと苦戦していましたが、翌月からは大きく
売り上げを伸ばし、ピーク時には1店での貸付残高が1億円。ヒラの店員
にも月給50万円を支払ってもまだ利益が出ていました。

――ヤミ金をはじめ、本藤氏はこれまでどのような詐欺を行ってきたの
ですか?

本藤:オレオレ詐欺の草創期に荒稼ぎしただけでなく、ワンクリック詐欺、
未公開株詐欺、社債詐欺、そしてイラク・ディナール詐欺と、さまざま
な詐欺を行ってきました。

――なぜ今、詐欺の実態を語ろうと思ったのですか?

本藤:現役のころから取材依頼がありましたが、自己顕示欲を満たすため
に詐欺の手法や知識をひけらかすようなことはありませんでした。引退し
た今、溝口氏の取材を受けることにしたのは、一つに「特殊詐欺」に対す
る世間の誤解を解き、警鐘を鳴らしたかったという思いがあります。

――どのような誤解ですか?

本藤:昨今、振り込め詐欺が悪事をはたらく人たちの資金源になっている
という面があるからです。私がやってきた「特殊詐欺」「システム詐欺」
の発展が資金源になっているというのを危惧しています。

――今、どのような気持ちですか?

本藤:贖罪や罪滅ぼしという思いと、警鐘を鳴らしたいという思いがあり
ます。私がかつて、「詐欺グループに入りたい」と言っていた若者たちを
受け入れたのは、短期間でお金を貯めて「不動産をやる」とか「飲食店を
やりたい」といった人たちの後押しをしたかったから。

しかし、詐欺はヘタに稼げてしまうので、いまだに足を洗っていない後輩
が多く、カネ・バクチ・オンナに溺れてしまっている。私は、後輩たちを
売ることもできないけど、守ってあげることもできない。
詭弁に聞こえるかもしれませんが、汗水流して働いたお金は無駄遣いしな
い。こういう仕事は長くは続けられないから、早く引退して全うな生活を
してもらいたいですね。

ぼくが本を読んでいて、一番唖然としたのが、彼の「金置き部屋」のエピ
ソード。
詐欺とはいかに儲けるかが、よく表れている。

本藤は金があまりにも入ってきて、金を保管するマンションを渋谷、新宿
に借りる。あまりに巨額だったから、銀行に預けることは不可能だった。
税務署にカネの残高や出所をお伺いされたくないから、土地も株も債権も
買えない。
基本的に遊び意外には使い途がなかったという。

それでもカネはうなりをあげてなだれこんできて、タンス預金せざるを
得なかったが、とにかく巨額だったとの事で、以下、本文から抜粋。

『一億円というとみかん箱一つぐらいのボリュームになる。それが何十、
何百箱と積み重なった。仕方なく渋谷区東一丁目に住まいとは別に目立
たないマンションを借り、そこを自分だけのカネ置き部屋にした。カネ
置き部屋は他に北新宿のマンションと、渋谷に近い神泉の戸建てにも設け
ていた。渋谷の南平台には期限キレになったトバシの携帯を山ほど積ん
だ専用部屋を用意した』

何気ないマンションの一室に金があふれるほど箱に入って、積み重なっ
ているという・・・・・・
何かイマジネーションを刺激するエピソードだ。

但し、彼は事件に巻き込まれる。
2004年4月27日の夕方の事。
そのマンションに入る前に、金属バットを持った四、五人の暴漢に合う。
いきなり一人の男が無言のまま金属バットで本藤の胸を横殴りした。
男たちは容赦なく本藤の頭や肩をめがけ、金属バットを打ち下ろした。
金の入ったかばんを奪い、ついでに背広の内ポケットを探って財布を引き
出した。本藤はあばら骨を三本折られていたが、警察に被害を届けなかっ
た。

バックには4800万円入っていて、財布には25万円ぐらい入っていた。
本藤は、男たちがカネ置き部屋に気づいた様子がなかったことに感謝した。
とうぜん、警察に届けたら、自宅で使っている秘密のマンション・カネ置
き部屋が発覚する恐れがあるし、本人自身がそもそも警察とはかかわりた
くない身の上になっていたから。

この「詐欺の帝王」と言う本は、詐欺に合わないようにするにはどうした
らいいのかというハウツー本ではない。著者が書いた本藤彰の詐欺人生は、
まるで小説を読んでいるかのように興味深く面白く読めた。
但し、どのような背景があって、このような詐欺が生まれたかというとこ
ろに頁を取り過ぎに思える。説明ページが多い。

背景よりも、詐欺の方法をもう少し詳しく書いてほしかった。その詐欺手段
を知ることが、詐欺への抵抗力をつける一つになると思えるから。
ところで、本藤彰(仮名)の正体は、いったい誰なのか。
一説では、工藤明生と、言われているが、真相はどうなのだろう?

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