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ジェット妻ストリーム2
停電の夜に (駐妻にお薦めの一冊)
2014年04月08日
テーマ:テーマ無し
まだ雨季には早いのに、あまりに暑くなった日は、夕方から夕立になったりします。
ラテン文学を読むと、“一天にわかに暗くなり、急に激しい突風が襲い、洗濯物が飛び、雨がやってくる”というような表現が随所に出てくるけど、メキシコシティもまさにその舞台のような天候になっています。
ここ数週間、夕方は落雷と雨。
すぐに雨水は土にしみ込んで焼け石に水なのだけど、その前に吹く突風に、「あぁ、あの小説の表現は決して誇張じゃなかったんだな」と思ったりします。
メキシコに暮らしながら、メキシコの文学を読むのはそんな楽しみもありますね。
落雷や急な雨でわが家も停電になることがしばしば。
もうね、途上国生活が長いと、家の修理や不具合をブログネタにする気にもならないのだけど。
インド時代に、散々書きまくっていて、今読むと若気の至り。
「あなたは何さまのつもりよ?」って自分に突っ込み入れたくなる。生活力のなさ、寛容さに欠けて恥入りたくなるわ。
便利な国に生まれ育った人の、理不尽な修繕生活への怒り。思いどうりにいかないのは当たり前だから。
縁あって、暮らさせていただき、夫が稼がせていただいている国のあれこれをあげつらって愚痴や悪口を言わない事にしたわ。まれに上手く行ったら、あぁ、ありがたい事と感謝して…。
ちょっと私も海外生活が長くなって成長したかな。
先日も珍しく2時間も停電。
晩ごはんは半分明るいうちに仕込んでいるので、間にあったけど、本は、蝋燭じゃ読めないのね。
今は電子ブックがあって本当にありがたいと、まんじりと2時間電子ブックを読みながら過ごしていました。
中国雑貨の輸入販売をしている近所のメキシコのドンキホーテみたいなお店で買ったキャンドル。
まさか電池で灯るとは知らずに、良く見もせずに買ったら、電池のキャンドルだった。
あぁ、ありがたい事です。
こういう時はとても便利ね。風が吹いても、子どもやペットがいても安心。
あまりによく出来た蝋燭の質感で、それを知らずに夫は、マッチで火をつけようとして電球を焦がしていましたけどね。
それで、思いだして再読したのは、ジュンパ・ラヒリの「停電の夜に」。
私のような思いをしている人は日本人だけじゃないのよね。
ジュンパ・ラヒリは、インド系アメリカ人の女流作家ですが、駐在妻の心境を見事に描いた作品ばかりで、ずっと私のお気に入り。
世界の駐妻も同じような辛さを胸にそっと秘めているのねと、思わせてくれる一冊です。
(たしか、ジュンパ・ラヒリは数冊、墨西哥文庫にもあったはず…。)
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