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雪が出会わせてくれた園子温監督の「地獄でなぜ悪い」 

2014年02月18日 外部ブログ記事
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先週の金曜日の事。

雪が降って電車も止まる恐れがあるということで、早めに帰るように
人事から言われた。ぼくは午後の4時半には仕事を切り上げた。
外は、雪がしんしんとふっており、空気もいつもより綺麗になったよう
に感じた。こんな静かな雪の日はやはり映画をみたくなる。
会社は品川駅にあるんだけど、30分弱電車に乗って、高田馬場駅で降
りて、名画座『早稲田松竹』で2本立てを見た。

どちらも邦画で、前から見たいとおもっていた「凶悪」と、もう一本は
「地獄でなぜ悪い」。
「地獄でなぜ悪い」は園子温の監督作品。実はこの監督の作品には、い
い想い出がない。

ぼくの大好きな山崎永幸著作の「共犯者」を下敷きにして作った「冷た
い熱帯魚」は、前半はよかったものの後半は単なるグロ物のぐちゃぐちゃ
映画になっていた。

また、古谷実のとても面白いマンガ「ヒミズ」を映画化して、この作品
は第68回ヴェネツィア国際映画祭で賞もとったとのことで、期待して
レンタルしたんだけど、これも見て早々にがっくり。
マンガの良さがどこにも生かされていない。5分経過後、見るのをやめて
しまった。

その2度の体験で、園子温監督とは、好きな世界観は通じるものがある
ようだけど、いざそれが映画の形をとったら、『徹底的に趣向が違う』と
いう事を思い知った。

それでも、映画が2本立てなのに、1本だけ見て帰るというのも損だと
思った。
つまらなくてもとりあえず観ようと思い、期待せずに「地獄でなぜ悪い」
の画面を眺めていた。

『思った通りにばかばかしい話だなぁ』と、あきれつつも、ところどころ
なぜか映画に惹きつけられた。
自分の奥さんが刑務所に入っていて、そこで組長が訪ねて近況を奥さんと
会話する。その組長を演じている國村隼の声が腹に響くとてもいい声をして
いる。

また、いかにもひ弱そうな青年が組長の娘の強引さにふと惹かれていく。
足元にひざまづかんばかりになる。
その彼女に惹かれる場面に説得力があり、心に迫るものがあった。気が付
いたら、ぼくは完全に映画の世界にのめり込んでいた。
そして何度も笑っていた。

やくざの組長が、娘ミツコ(二階堂ふみ) を主演にして映画を作るという突拍子
もない発想がまず傑作だった。そして、ヤクザの抗争の瞬間をそのままカメラ
に収めていくという映画オタクの強引なドキュメント的な展開も面白い。

映画青年の誰に向かって言っているのか、まったくわからない一人よがり
のナルシストな会話にも何度も笑わせられた。
長谷川博己の意外な演技力と面白さを知った。

最後は警察が、マシンガンでヤクザを情け容赦なく撃ちまくる。斬りまくり
から撃ちまくりへ・・・・・・・・・・・・。
この安直な強引な結末も嫌味にならないのは不思議。

こんなに奇想天外で、はちゃめちゃな映画はひさしぶりだった。
(でもぼくの隣の席に座っていた学生らしき20代の女性は、クスリとも
笑わず、じっと画面を眺めていたままだったのが、ちょいと不気味だった
けど)

ぼくは、雪が降ったことを天に感謝した。
雪が降らなければ、そのまま自宅に帰ってしまい、この面白い映画も園子温
が監督だということで、観ることはなかっただろうから。

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