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吾喰楽家の食卓

秋川渓谷(3) 

2013年10月31日 ナビトモブログ記事
テーマ:生活

旅の二日目、前日の快晴が嘘のような曇り空だった。
義妹たちは駅のコンビニで傘を買い、三人は荷物をコインロッカーに預けた。
大岳鍾乳洞へ行くのに、二時間に一本のバスを利用した。
鍾乳洞までは、バスを下りてから三十分ほど山道を歩かなければいけないが、途中で雨が降り始めた。
バスの本数が少ないので、昼餉が遅くなるのは覚悟していた。
少しでも早く食べられるように、旅館から駅へ向かう途中、昼餉の店を決めておいた。

   *****

蕎麦と饂飩の店なので、どちらを頼むか少し迷った。
「どちらが、美味しいですか?」と訊いても、
「どちらも、美味しいです」と返ってくるに決まっている。
「どちらを、食べる客が多いですか?」と訊いたら、
「どちらが、多いかは日によって違います」と返ってきた。
この日のように寒い日は、饂飩が多いのだろう。
義妹たちは温かい蕎麦と饂飩、吾喰楽は数量限定の「田舎蕎麦」を頼んだ。
寒い日でも、蕎麦は冷たい方が美味しいと思っている。

   *****

「店の名前が、魚*って、魚屋みたいだね」と義妹は不思議がっていた。
「元々は魚屋で、蕎麦屋に転業しても、昔の屋号を使っているんだよ」と、思い付きで答えた。
女将さんに訊いたら、全くその通りだったのに、少し驚いた。
明治の創業で、当時はこの辺りでは山賊が出た時代で、初代は脇差を携帯して八王子まで大八車で仕入れに行っていたそうである。
山の中なのに、海の魚しか扱わないのが自慢だったとか。
セットメニューではなく、三種類の魚定食がある訳を合点した。

   *****

今まで食べた蕎麦の中で、太さと硬さは上があったが、これほど黒い蕎麦は覚えていない。
いがらっぽさすら感じる、素朴な味が、中々いい。
義妹たちの温かい蕎麦と饂飩を味見したが、少し腰が足りない感じがした。
日ごろ硬い饂飩を食べているから、なおさら感じるのかも知れない。
他に客がいなかったこともあり、旅の終わりは、ビールと燗酒で盛り上がった。
次回があれば、海の魚を肴に地酒を飲みたい、と思いながら店を出た。

   *****

写真
10月29日(火)の夕餉



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ウイールマンさんへ

吾喰楽さん

コメント、有り難う御座います。

今回のコースは、車を使うと日帰りが可能です。
それだと、折角のご馳走なのに、酒が飲めません。
バスの本数が少ないので、日帰りでは、周り切れません。
だから、のんびりと旅を楽しむことができましたよ。
歩きならではの発見もあります。

2013/11/01 07:34:04

吾喰楽さん

ウイールマンさん

とても楽しい旅だったようで! いい気分転換だったと思います。それにいっぱい美味しいものが食べれて。

これからも時間を気にしなく、ノンビリした旅が出来るといいですね。

2013/11/01 02:53:10

みのりさんへ

吾喰楽さん

コメント、有り難う御座います。

美味しかったですよ〜
これほど黒い蕎麦は、初めて食べました。
新蕎麦を使い始めた日だったのは、幸運です。

2013/10/31 20:58:55

ザル蕎麦〜♪

みのりさん

吾喰楽さん

ザル蕎麦美味しそうですね〜〜♪
私も大好きです。〜〜♪

2013/10/31 19:39:59

喜美さんへ

吾喰楽さん

コメント、有り難う御座います。

午後の2時頃でしたので、客は我々だけでした。

確かに器は年季が入っていますね。
義妹が食べた饂飩は、この種の店としては珍しく、志野焼の器でした。
特に志野焼はもろいのですが、小さなカケが複数ありました。

古い店ですが、清潔感がありましたので、器は気になりませんでした。
写真を見て、酷さに気が付いたくらいです。

2013/10/31 10:55:33

蕎麦

喜美さん

そんなこと言ったら悪いけれど
此処繁盛している?
器を見ただけでお蕎麦が不味くなるわ
何年も続いた老舗でしょうけれども
気にならなかった?

2013/10/31 10:43:11

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