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北軽井沢 虹の街 爽やかな風
友人を見舞う
2013年06月04日
テーマ:テーマ無し
昨日、友人のUさんを訪ねて西群馬病院へと向かった。実は昨夜、そのことを書くつもりで机の前に座ったが、何とも気分が重く考えがまとまらなかった。昨日と今日は連休で仕事はない。今朝は清々しい天気になり、外ではエゾハルゼミが大合唱。小鳥たちの声はかき消され、今日の主役はハルゼミ達で決まっている。5年前の6月、移住してきたばかりの私たちは、このハルゼミの鳴き声を聞いて、セミと蛙が大合唱をしていると勘違いしていたことを思い出す。
エゾハルゼミの説明を読んでみると、北海道・東北地方では平地や低い山の林、関東から西ではやや高い山など涼しいところを好み、ブナやコナラなど広葉樹の林に多く住む。木の幹のわりあいに低いところで鳴くことが多く、早朝から夕方までなく。1匹が鳴きだすと次々と鳴き始め、合唱しているように賑やかである、とあり、オスの鳴き声は「ミョーキン・ミョーキン・ケケケケ・・・」あるいは「オーギィー・オーギィー・オーギィーォ・キギギギギギギ」と聞こえ、アイヌ語では「ヤキ」と呼ばれるのは、この鳴き声からきた名前だという。
懐かしい5年前を思い出すが、Uさんと初めて出会ってからもう4年になる。スキーレンタルショップでスキーに靴をセットする方法を習ったのがUさんだった。後で分かったのだが、彼は約20年前に手術で片肺を失っていて食べ物も半人前しか食べられないと言っていた。そのためか細身の身体で頭髪が薄いため年齢よりも老けて見えた。私より2歳年上と分かり、その時は、スキーのスの字も分からなかった私は、彼にできるのならできそうだと、失礼ながら感じたのだった。
ハンドルを握りプリンスランド大通りに出る。中央分離帯に植えられた草花が美しく、遠くの空の薄いブルーに浮かぶ白い雲がポカリ、ポカリと漂っている。昨年は奥さんと一緒に、元気よくキャンプ場で働いていたのに・・・美しい景色も気分しだいではその受ける感激は小さい。
西群馬病院は渋川市といってもほとんど伊香保温泉の手前で静かな自然の中にあった。
ベッドに寝ているUさんは、やはり食欲がなくあまり食べられないと話す。細面の顔がなお細く思えた。奥さんは2〜3日に一度通っているそうで、私が行く少し前に帰えられたところだった。
熱が下がらないのでそれが難儀だと話すUさんの声はかすれがちで、話すのもしんどそうだった。
私は、どうやって励ましたらいいのか分からない。しっかりと、治す意欲は失わないようにと自分の思いを何とか伝えたが、彼はしばらく私の手を握ってはなさなかった。彼のためにもあまり長居はできないと思い、切りのいいところで別れたが、病院を出て駐車場へと歩きながらこみ上げてくるものを押さえることは出来なかった。
人は皆それぞれ多くの出会いを経験する。そしてその中には、その人の人生に大きな影響を与える人に出会うことがある。私にとってUさんはそのなかの一人だ。誰一人知人のいない山の中に移住して、しばらくは途方に暮れていた私は、時間をもてあまし何か仕事をしてみようと思い、働き先を探していた時に出会ったUさん。屈託のない正確で明るい笑顔の初対面を今でも覚えている。軽井沢駅前のスキーレンタルショップでUさんに習った靴のセッティングは、翌日から勤務した嬬恋の店で大いに役だった。その後何度か同じ店で仕事をしたが、一日中一緒に過ごしたのは5〜6日だったろう。それがきっかけで、翌年は農業と野菜販売、そして、現在のキャンプ場を紹介してくれたのもUさんだった。Uさんがいなかったら、スウィートグラスで働く現在の自分はいない。人の人生は出会いによって大きくその将来が変わることがある。私は彼と出会っていなかったら別の道を歩んでいたに違いないのだ。
帰りは伊香保温泉を通り抜け榛名湖を通って倉渕から二度上峠経由の道を選んだ。行きは中之条を通ってきたので、ちょうどぐるりと一周したことになる。走行キロは行きが68㎞、帰りが63㎞と帰りの方が5㎞近かった。雄大な景色に見とれながらもつづら折れの道が多く、ハンドル操作が忙しい。右に左にハンドルをきりながら何度もUさんの顔が浮かぶ。時間がかかっても、きっと治すという意欲はあると私の話に同調してくれた彼の目は、かすれた言葉よりも力強く輝いていた。私にはその目の輝きが唯一の希望になった。元気になった彼の手をしっかり握る日が早くくることを願っている。エゾハルゼミは、いまもずっと鳴き続けている。今の私には、Uさんガンバレと応援してくれている大合唱に聞こえてきた。
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