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娘夫婦 

2012年08月10日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 

 

 

 

 

 

 

 
娘夫婦がやってきた。娘は一年に一度はやってくるが、婿殿に会うのは3年ぶりのような気がする。子どもたちは、それぞれ独立して自分たちの世界を築いている。そんな中で時折両親に会うという機会があれば、その一時は、お互いに有意義な時間に違いない。そんな時、妻は、いつも手料理を作り歓迎の意を現す。テーブルには、その時々の草花が生けられ、歓迎の雰囲気に色を添える。
 
辰巳浜子著「料理歳時記」の中に次のように記されている部分がある。
「うごは、さしみのつまになくてはならぬものです。暮れから春先までの鮪の刺身のつまは、大根のかつらむきと相場がきまっていますが、春ともなって本鮪がめかじきにくら替えになるとつまもうごに替わります。春の大根は不味になり、鮪も血がにじみ出るようになるともう時季外れで美味しくありません。本鮪に代わってかじき鮪が日本近海に周遊しはじめる春先は、海からうごがとれるという寸法です。自然の移り変わりを、天然の配合よろしきを得たこの知恵。現代の私どもは、口ではとやかくうるさいことを並べたて、やれフランス料理とか、イタリーは中国はとひととおり通ぶりますが、日本の本来の食べ物の知恵が子孫に残せるのでしょうか。加工合成化学食品であっては、いかがなことになりましょうか?」
 
妻は、いつも旬のものを大切に料理にとりいれているが、私は、ここに来て、何がいつ旬なのか少しずつ理解できるようになってきた。いずれにしても、手間を掛け、心のこもった料理はその味のいかんに関わらず、有難く嬉しいものに違いない。
 
私は、かねてより保存していた空き瓶に、果実酒を移し入れ、これはマタタビ酒で、また旅に出たくなるほど元気になる、などと知ったかぶりを言いながら、五味子酒、山葡萄酒、アキグミ酒、イチイ酒を次々にグラスに注ぐ。では、このあたりでビールにしよう、と勝手にビールを注ぐ。
こういう日には、妻の制止はない。私も妻の料理を旨い旨いと誉め称えるが、娘夫婦を前に、二人とも目尻が下がりっぱなしである。幸いに娘夫婦は酒に強く、まともに勝負されたらこちらの負けである。頃合いを見て退散するのが常であるが、世の中はいつも「逃げるが勝ち」なのだ。
 
いつものように、あっという間の三日間であったが、仲の良い娘夫婦の姿に安堵しながら、あ〜疲れたと座り込む妻の顔は、疲労よりも喜びの皺が笑っていた。
 
 

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