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作品名 3月のライオン 後編 評価 評価評価評価評価(4)
タイトル いかにもコミック
投稿者 パトラッシュ 投稿日 2017/05/05 12:00:18

高校生にして、プロの将棋指し……
と言っても、今や、世間は驚きません。
「事実は映画より奇なり」で、中学生プロ、藤井聡太君が出現し、
今しも、破竹の十六連勝を、飾っているところですから。
これには、原作者も、この映画の監督も「こんなはずではなかった」かもしれません。

将棋映画ですから、当然に、将棋の対局シーンが、数多く出て来ます。
その情景を、前編のレビューにおいて、私は「苛烈」と書きました。
表現不足だったかも知れません。
対局室には「緊迫」「苦悶」「悔悟」などが満ちている他に
「狂気」すらも、漂っているのです。

将棋をやらない人、わからない人だって、この映画において、
それらを感じることが、出来ると思います。
つまり、対局シーンというものは、それだけ見ごたえがある。
観客の目を、引きつけるものがある。
ということが、言えると思います。

では、将棋の対局だけで、物語が成立するか……
そんなわけには、行きません。
この映画は、ドキュメンタリーではなく、エンターテイメントなのですから。

そこで、主人公と、それを取り巻く人間関係の中に、波乱を起こさせる。
例えば、校内のいじめであったり、妻子を捨てて逃げた男が、
今や不遇の身となり、復縁を迫る、などです。
陰湿な性格の者、身勝手な人物などが登場します。
しかし、いかにもそれらしい。
類型的との、印象を免れないところもあります。

もしかすると、コミックが原作だからでしょうか。
各登場人物の、やること為すこと、そのメリハリがはっきりしています。
人を描くに、煤雲託月のような、まどろっこしい描法を取らず、
直截に描いている。
間接照明の、柔らかな光ではなく、直接に、強いスポットライトを当てている。
そういう感があります。
そんなバカな……
その実在を信じられないような、人物設定もなくはありません。
これを、現実離れしていると、言えないこともありません。

今回、私のレビューは、少々厳しくなっております。
前編が☆☆☆☆☆
後編が☆☆☆☆
この差には「慣れ」と言うことが、あるかもしれません。
前編の衝撃が、強かった。
後編では慣れて来た。
ということかも知れません。

しかし、そればかりではないようです。
前編では、将棋の世界に生きる人々を、世に伝えたいという、
作者の思いが、強く感じられました。
後編では、それが、前作ほど、感じられないのです。
映画は所詮、コマーシャリズムから抜け出ることは、出来ない。
「受け」を意識すれば、平板には流せない。
ドラマチックであろうと、手を替え品を替える。
その辺が、ほんの少しながら、鼻につかないでもないのです。

元より、私の個人的な感想です。
AM8:15上映開始でしたが、映画館に客は、結構入っていました。
皆さん、楽しんでおられたようです。
見るからに、将棋オタク……と思われる客は少なく、その属性は、
多岐にわたっていた。
という印象を持ちました。

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コメント

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シシーマニアさん

対局の場面は、見応えがあったのですね・・。

役者の演じる、「体を張った」という様な場面は、往々にして見る者をしらけさせることが多いですけれど・・。

最近、ネットで「それでも 生きていく」という数年前のテレビドラマを見ました。

幼い娘を殺された母親という役の、大竹しのぶの演技には、又々納得させられました。

体中で、犯人への憎しみと、子を失った悲しみを表していました。


表現するということは、素晴らしく、しかも底の見えない深淵なものだ、と今更ながらに思いました。

そして、ちょっと勇気づけられもしました。

2017/05/05 18:24:57

パトラッシュさん

シシーマニアさん、
そうです。
見応えがありました。
しかし、盤を離れた後の、棋士たちの生活に、疑問がわかないでもありませんでした。
あんなことが、実際にあるだろうか……と。

映画作りの難しさを思いました。
後編が、前編を上回れればよいのですが、逆になると、少々残念なことになります。
ほんの少しですが、その危惧が当たってしまいました。

2017/05/05 19:33:41

彩々さん

真夜中にこの予告編を観てきました。

「3月のライオン」という説明の導入から
引き込まれる作品に仕上がっているようです。
観てみたい気がします。

コミックから映画という流れが、ここに来て
確立してきていますね。

2017/05/06 03:41:05

パトラッシュさん

彩々さん、
是非ご覧になって下さい。
とこう言いたいのですが、
果たして、お気に召すかどうか……
(神戸育ちで、洋風好みの彩々さんに)

私は面白かったです。
囲碁と将棋は、今の私と、切っても切れない仲にあり……ということもあります。

まあ、お時間がありましたら、ご覧ください。

2017/05/06 06:37:45


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