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第三の人生は希望に満ちて　

2010年05月25日
テーマ：テーマ無し

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<div> </div>
<div>結婚までを最初の人生、結婚後を第二の人生という。そして、定年退職または引退してからの人生はまた違った第三の人生といえるのではないか。<br>
私は６５歳から第三の人生を求めて移住生活に入った。６５年間のしがらみから抜け出した。そこは、まったく誰一人知り合いのいない遠く８００キロ以上離れた群馬県。しかも、東京ドーム７０個分の面積があるとてつもない大きな別荘地で近くに住んでいる人もほとんどいない森に囲まれた場所だった。</div>
<div> </div>
<div>新しい生活はことのほか順調に推移して、まる２年を迎えようとしている。何といっても「健康」であったことが新しい生活の活動力になったことは言うまでもないが、妻との二人三脚が絶妙のバランスを保っていたことも大きな要因となっている。ほとんど３日にあげず小さな喧嘩はしているが、そのたびに歯車は余計に合ってくるから不思議である。ここは標高１１００ｍの厳寒の地でマイナス２０度もあると聞いていた。問題はその冬をどう過ごすかということだったが、私たちはその冬が素晴らしいことを発見し楽しんでいる。</div>
<div> </div>
<div>春夏秋冬のメリハリがはっきりとしているが、どのシーズンも今まで経験しなかった新しい発見があった。冬に耐えられる住居さえあれば、ここは年金生活者にとって天国であるといってもいい。森に囲まれたこの場所は、寒い冬には森の木々が葉を落とし、太陽の光が明るく照らしてくれる。それ故冬は明るく温かい。夏にはうっそうと茂った森が暑い日の光を遮断しパラソルの役目を果たしてくれる。それ故夏は涼しい。春には数々の山菜を楽しみ、秋にはキノコや木の実を楽しめる。東京ドーム７０個分の大きな大きな庭のある生活といっても過言ではない。そしてここの水道水は浅間山がもたらす名水で、まわりにはたくさんの小鳥たちが我々と一緒に生活を楽しんでいる。</div>
<div> </div>
<div>このような夢の世界が他にあるだろうか。しかも６５歳以上の住人はこの村の温泉に１５０円で入れるのだ。ここに生活するとお金はいらない。使う場所がないのだ。だから年金だけで十分生活ができる。ここでの生活の楽しみは何だろう、と考えてみた。それは自然の中で自由に暮らせることに尽きる。自分たちの考えで何もかも決めることができ、そして自由に変更もできる。そのことが誰にも迷惑をかけることなくできるのだ。</div>
<div> </div>
<div>二年目になり、冬はスキーレンタルショップのアルバイトを経験した。そしてその繋がりで、今度は農業の手伝いをすることになり、未経験のまったく新しい人生がどんどん開けている。今日はまた連絡があり、午後からトウモロコシの播種（種まき）をしてきた。明日は天気次第ではトウモロコシの定植を依頼されている。そして、７月の半ばから９月の終わりまで、ここで穫れる高原野菜の直売場で働くことも決まった。場所はここから車で約３０分の草津だ。<br>
「草津よいとこ一度はおいで・・・」日本でも一二を争うほどの有名な草津温泉は、ここに来たときぜひ行って温泉に入りたいと思っていたところだが、そこで働くようになるとは考えてもみなかったことだ。農業生産のほんの一部だがそれに参加し、収穫した野菜の販売を手伝うという、第三の人生の一部分に過ぎないが、こういうことは新鮮で楽しい。</div>
<div> </div>
<div>まったく未経験の仕事の中において、野菜直売店での新しい人間関係も一抹の不安はあるが楽しみも多いはずだ。７０日くらいの短期間働いたいくばくかの収入でまた楽しい旅行やトレッキングに行くことも出来る。妻は「さゆみの会」に入会し、木や草の繊維で糸を紡ぎ織物製品を作るという伝統工芸復活の仲間に入れていただき張り切っている。６月４日には、初めてその草木の収集に出かけることになっている。妻はここで新しい人間関係に出会うはずだ。<br>
６５年間過ごし働き子育てをした広島での生活が基盤になっていることは言うまでもないが、ここでまったく別の新しい人生を歩めるという幸運は大切にしたい。今後のことは皆目見当もつかないが、２年前に来たときの不安はまったくといっていいほど消え去っている。</div>
<div> </div>
<div>昨日の記事に書いた、長い間楽しんできたゴルフもあっさりと捨てることができる自分に今更のように驚いているが、第三の人生にゴルフはいらなくなったということだろう。広島カープの成績も気にならなくなっている。これもストレスがなくて有難い。「ブログ」というもののおかげで全国の、いや遠くは沖縄や中国の上海の方とも話ができるという幸運も見逃せない。</div>
<div> </div>
<div>人は考え方、気持ちの持ち方で、まったく違った新しい人生を生きられる。<br>
少しずつその確信を持てるようになっているが、人はまたひとりでは生きていけない。新しい人間関係を大切にし、一歩一歩前へ進んでいきたい。<br>
この素晴らしい自然に感謝しながら、明日もまたきっと一歩前進できるに違いない。</div>
<div>「ありがとう」の心、「ありがとう」の気持ちを忘れずに。</div>
<div> </div>
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