筆さんぽ

ちょっといい話 

2024年01月23日 ナビトモブログ記事
テーマ:筆さんぽ

●不登校
女優の岸田今日子さんは不登校だったという。
今日子さんは父に怒られても、母に泣かれても、学校が嫌いだった。
夏休みがもうすぐ終わりそうな時期になると、母が彼女に「二学期は頼むからいってほしい、もし行って嫌だったらすぐに帰ってきていいから」と説得されて、彼女は仕方なく学校に向かった。

すると先生からいきなり「みなさん、夏休みの宿題を提出して」と言われて、みんなは絵日記などを出し始めるけれど、彼女は学校に行っていないわけだか何も知らない、困って自分の机の中をみると、そこに絵日記などが入っていた。しょうがないから何も書いていない絵日記を先生に渡す。
そうすると先生が

「そうか、今日子ちゃんは絵日記なんか書けないくらい楽しかったんだ、よかったね」と話しながら、何も書いていない絵日記にマルをつけていった。

それを見て彼女は
「こんな先生のいる学校なら来てもいい」と、その日から通うようになった。

それから数十年後、同窓会に、あの先生がいらっしゃるというので、出席して先生に
「あのとこのこと忘れません。何も書いていない絵日記の宿題全部にマルをつけてくださった」と言ったら、
先生が「あれはマルじゃないよ、零点のゼロだよ」


●ラジオで聴いた落語の小咄。
ある男が、両目を使うのはもったいないからといっていつも、片目だけを開けていた。長い間、そうやって暮らしているとさすがに眼が疲れてきたので閉じていたほうと交代した。
すると、知っている人が誰もいなくなってしまった。


●酒を飲む「言い訳」を思いついた
「飲まなきゃ会えない人がいる」。そうしたら、妻に言い返された
「飲んだら会えない人がいる」



●………Kさんが半年ぶりに、タイから東京に帰ってきたときのことである。繁華な通りを歩いていると、中二階のガラスフェンスに貼ってある紙が目に入った。紙には「真心がこもった仏料理」と筆で大きく墨書きしてあった。何だろう?Kさんは、タイでお寺さんとお坊さんなどを取材していた。小走りに中二階に上がり、店のドアを開け、レジにいた女性に訊ねた。「あのー、カラスに貼ってある仏(ほとけ)料理って、何でしょうか」レジの女性はニコリともせず答えた。「あれは、フランス料理です」。「真心」はフランス料理に似合わないだろう、とKさんは思った。

●………「渋谷一枚!」。まだ切符の自販機がないころ、向田邦子さんは、渋谷駅の窓口で叫んでしまった。こういう場合、「ここだよ!」と怒鳴り返されるのがオチだが、その駅員さんは静かな声でこう言った「無料ですよ」。邦子さんは「一瞬、この初老の駅員さんに惚れてしまった」「ことばのお洒落」に惚れた。


●………Mさんは、両親と三人で出かけたことがあった。切符売り場の窓口で、父は思わず「男二枚、女一枚」と言ってしまった。技術者の父は、「正確さ」を身上としていたそうだ。


●………銀行のATMの横に、出入金、振込みなどの計算に使う小さな電卓がある。ATМは、画面で操作するが、知人のSさんは、うまく操作できなかった。暗証番号を電卓に「入力」していたという。


●………病を負って、これが昔なら助からないだろうが、「文明」に拾われ、生命を薄めて生きている。虫には申し訳ないが、虫ではなく人としてつくられた以上、ともかくも風と火に化する日まで、この世への、病のためかぎられているが、奉仕に自分を使おうと思いさだめてしまえば、心さやかになる。


●………知人の女性のDさんは、九州の家具の産地で生まれた。Dさんは、家具関係の仕事をしている男友だちを、家具職人の自分の父に会わせた。父はその男友だちに聞いた。「家業はなんですか」「『カ行』ですか?カキクケコです」。Dさんはフォローした。「ちがうわよ!作業のことよ!」「サシスセソです」


●ままごと
散歩の途中に子どもたちの「おままごと」をみた。
お母さん役の女の子
「みんな、ご飯できたわよー、いらっしゃーい」
「はーい」
「きょうのオカズは、みーんなチョコレートよ」
「わーい、わーい」とお父さん。



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