どうでも雑記

天城峠 Z 

2023年08月13日 ナビトモブログ記事
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伊豆の踊子の最終 「湯ケ野から下田へ…」

石積の天城隧道を抜けて天城峠越えをした旅芸人一座と青年は、河津に下って最初の集落である湯ケ野(湯ケ野温泉)の「福田屋」(写真)に泊まる。

ここは小説、伊豆の踊子の一番の舞台となるところだ。青年は若い踊り子に恋心を抱いただけでなく、旅芸人の踊子という身分が世間ではいい評判はない。峠の茶屋のお婆さんは、それを更に悪く言っていたことで、踊り子への恋心と守りたいと思う気持ちが強くなっていた。そんな心配が吹き飛んだ出来事が湯ケ野だった。

福田屋の対岸に湯ケ野温泉の共同浴場がある。青年が窓越しに宿の下を流れる河津川の景観を眺めていたら、恥じらいもなく裸で飛び出して青年に手を振る。
そんな踊り子の天真爛漫なさまに、この子は、まだ子供だと気づくという、小説の中でも印象的なシーンである。
そして少女が世間の噂のようなこととは無縁であることが分かり安心するが、同時に少女なので今まで抱いていた恋心とは少し違う心境になる。

Kenは湯ケ野の「福田屋」に寄るため、車で入れないので歩いて河津川まで下りる。
対岸の福田屋には専用の木橋が掛かっていて、それを渡ると福田屋の玄関になる。
昔と変わらない佇まいではあるが、時代の変化というか、かっては川端康成・太宰治・他の文豪たちが泊まった宿として訪れる人も多かったが、年々お客が減り経営が難しいようだ。特にコロナ過の影響は大きいという。

地域の共同浴場も今まで利用していた家庭で、お風呂を造ったのと、個人で温泉を引き込む家もあり、維持に協力してきた利用者が減る一方なので共同浴場の維持が難しくなったと話していた。

湯ケ野に泊まった旅芸人一座と青年は翌日、下田に向かう。河津の街に入る手前で下田街道は右方向に山を一つ越えて、下田の街に入る。下田では甲州屋旅館に泊まり翌日、伊豆の踊子の最終地点である下田港へと辿った。

青年は船で東京に向かう、踊り子は下田で流しの仕事をした後、伊豆の大島に帰るという。伊豆の踊子の最後は下田港での別れでした。



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漫歩さんへ、

素浪人kenさん

旅の達人、漫歩さんから褒められて大き目の穴があったら入りたい気持ちです。何時も旅というのはこれだな…そんな思いで作品を拝見しています。ありがとうございます。

2023/08/15 16:41:49

読後感

漫歩さん

素浪人さん、貴ブログは私に懐旧の情を喚び起こさせました。遠い我が旅のことと共に松本清張作「天城越え」やそのドラマをも想い出しました。
労作有難うございました。

2023/08/15 11:19:20

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