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金属、炎、生、性、受胎の「TITANE/チタン」 

2023年05月28日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


「TITANE/チタン」2021年製作 フランス・ベルギー合作 原題:Titaneジュリア・デュクルノー監督の「TITANE/チタン」を見た。カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールに輝いた作品。 監督は女性であるということを忘れてしまうくらいのハードなシーンが続く。時にあまりの予想外の展開で何度か大笑いした。ヘンテコでどこか変態的で、前半は色っぽいシーンもあるものの、後半は主人公の腹が膨らみ、体からは黒い血が流れてホラー映画のような展開になっていく。一般の人を寄せ付けない映画のように見えて、なぜかとても面白い。物語は、父と娘のドライブシーンから始まる。車の中では陽気なアメリカンポップスが流れているが、とても不機嫌そうな子供・アレクシアが、車の後ろ座席で流れる曲に対抗するかのように「ウー」というような奇声を上げ続ける。ついにはシートベルトをはずして、運転をしている父親が振り返って叱ろうとしたとたんに車の大事故。事故の後で、アレクシアは頭蓋骨にチタンプレートを埋め込まれる。そのことが元で車に対して以上な愛情を抱くようになる。アレクシアは成長し今はモーターショーのショーガールとして働いている。挑発的なパフォーマンスを繰り広げるが、彼女が挑発するのは見つめる男たちではなく、セクシーに輝く車。ショータイムの後でファンの若い男性にしつこく迫られ、車に逃げ込むも強引にキスにまで男は持ち込む。アレクシアはそのキスに答えるかのように見えて、髪に刺していた長い金属のヘアピンを取って、いきなり男の首に差し込む。男の口からは白い泡が噴出し、彼女の肩、首筋にかかり男は息絶える。その後、改めてシャワーを浴びにいったアレクシアは、ショールームから聞こえる何かを強打する音に惹きつけられる。アレクシアを待ち構えているような1台の車。裸で乗り込んだ彼女は、車中で車との性行為にふけ絶頂を迎える。前半はバイオレンス満載で始まる。彼女は殺人犯として追われる身となる。頭を剃り、顔はトイレで洗面台にぶつけて変えようとする。自らの犯した多くの罪から逃れるように出会った初老の男性・ヴィンセント。彼は消防士で、10年前に息子が行方不明となっている。アレクシアは失踪したヴィンセントの息子の代わりとして、疑似家族として暮らしを始める。二人の奇妙な同居生活が始まる。この映画の主人公・アレクシアは、ほとんど無言で始まり無言で終わる。しかし、ぎらつく眼や顔の表情の緊迫感で、映画をダレさせない。彼女を演じたアガト・ルセルはキャスティング・ディレクターがインスタグラムで発掘したという。その事をきっかけに、長編映画デビューし初主演を飾った。彼女は、ジャーナリスト、モデル、写真家として活躍するなど多彩な経歴を持つというが、この映画で強烈な印象を残した。アガトをキャスティングした理由として、デュクルノー監督は「アレクシアが〈突然変異〉するとき、人々が目にしたことのある女優の変化を見ていると思ってほしくなかったのです。つまり、観客がどんな思い込みも持たない人が必要だったのです」とコメントしている。ところで、「チタン」という映画のわりには、チタンはあまり関係のないような気もしてくるし、そもそも作品で主張したい事は明確ではないようだ。この作品の過度の殺人を含めたグロテスクさに反感を得る人もいると思うが、ぼくは今までに感じたことのない、”すがすがしさ”さえ感じてしまった不思議な体験となった。参照:『TITANE/チタン』で世界を震撼!ジュリア・デュクルノー監督インタビュー 

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