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読書日記
『賢者はベンチで思索する』 読書日記204
2023年05月27日
テーマ:読書日記
近藤史恵『賢者はベンチで思索する』文春文庫
毎年の健康診断やらワクチン接種やらで、ほぼ、かかりつけ医状態のクリニックの待合室にあった本。このクリニックは患者から(?)本を寄付してもらい、書棚に並べて自由に読んで貰うようになっている。さらにまた、本を欲しいという人には1冊100円程度で売ってくれる。
さて、裏表紙の広告文だと
ファミレスでバイトをしているフリーターの久里子。常連にはいつも同じ窓際の席で何時間も粘る国枝という名の老人がいた。近所で毒入りの犬の餌がまかれる事件が連続して起こり、久里子の愛犬アンも誤ってその餌を食べてしまう。犯人は一体誰なのか?事件解決に乗り出したのは、意外なことに国枝老人だった。
この国枝老人、ヘルパーや近所の人たちからは認知症では無いかと疑われている老人であるが、いつもの喫茶店では無く公園で出会うとまるで別人であり、この本で出てくる日常の謎…久里子が悩んでいることにさりげなくアドバイスをくれたり、困りごとを解決するためのヒントをくれたりして、どう見ても頭脳明晰なのである。
第一章 ファミレスの老人は公園で賢者になる
第二章 ありがたくない神様
第三章 その人の背負ったもの
と章分けされているが、それぞれが一つの短篇である。広告文はこの章の内容である。
第二章は「味がおかしい」という苦情が客から寄せられる。それも2件。どうやら何者かが何かを混入させたらしいが、どう考えてもその機会が無いという謎を解く話。
第三章はこの第一章と第二章が伏線となって、国枝老人の正体を探ることになる話。結局、正体は判らぬまま行方不明になるという結末で、半分はもやもやするものが残る。
で、どうやらこの久里子を主人公とした続編があると知り、図書館が所蔵しているので予約を入れたところだ。
(2023年5月12日読了)
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