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詩的な台詞回しも寂しげな「ジョゼと虎と魚たち」 

2023年04月03日 外部ブログ記事
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「ジョゼと虎と魚たち」 2003年製作 日本 犬童一心監督の「ジョゼと虎と魚たち」は、大学生の恒夫(つねお)と足の不自由なくみ子という女性との恋のお話。恒夫は、乳母車に乗って祖母と散歩するのが日課の自称『ジョゼ』こと『くみ子』という女性と知り合う。恒夫はユーモラスで知的な女の子のくみ子に惹かれていき、彼女のほうも彼の事を好きになるのだが、二人の関係は永遠ではなかった。この映画、噂には聞いていたけどとてもいい映画だった。ジョゼを演じた池脇千鶴がとても良かった。彼女は当映画で第18回高崎映画祭最優秀主演女優賞を受賞している。ラブホテルでの、海をイメージした照明の中での自分の心情を語る場面が心に沁みる。恒夫がアルバイトしている雀荘の場面から始まり、そこであるお婆さんの話題になる。雀荘の客の一人が、乳母車に何かをのせて押している姿をよく見ると言う。その乳母車に何を載せているのかということで、大金とか麻薬とか客が推理を始める。そんな噂話のあった、ある朝の事。雀荘のオーナーの愛犬を早朝に散歩させに出た恒夫は、坂道を転がってきた乳母車に出会う。乳母車を覗くと、若い女性が睨んでいる。そしていきなり女性は包丁で恒夫を攻撃しようとする。そこに、お婆さんが孫を「くみ子」と呼びながら、乳母車までやってくる。恒夫は乳母車を押して2人を家まで送り、その二人の家で朝食をごちそうになる。テーブルに並んだ一品ごとが全ておいしいので、恒夫は笑顔になる。くみ子は、恒夫が「だし巻き、おいしいです」と話しかけると、「あたりまえだ、私がつくったんだから」と言う。ぶっきらぼうな会話しかできない女性ではあるけれど、表情が可愛らしくて料理が得意。その料理の味が忘れられなくて、招待されてもいないのに、恒夫はおかずとなるものを買って、食事をごちそうになるために何度も訪れる。その家の居心地の良さは、見る側にも伝わってくる。座ったままよく寝ているお婆さんの姿までもが、のんびりとした空気感として伝わる。こんなに落ち着くお家で、おいしい食事を作ってもらえるなら、遊びに行きたくなるのも当然だと思う。「ジョゼと虎と魚たち」は、田辺聖子の短編恋愛小説で、本作を表題作とする短編集が原作になっている。ぼくの中では、田辺聖子というと、『面白い顔をした女流作家が、ユーモラスなエッセーを書く』くらいの認識しかなかったけれど、この映画を観て彼女の小説を俄然、読みたくなった。また、犬童一心監督の映画作品もこれから要注目だ。過去の作品も順次見ていきたいと思った。タイトルでも使っている”ジョゼ”という名前はサガンの小説「一年ののち」の登場人物から取っている。そのサガンの小説の一部が映画の中で朗読されている。それが心に残る文章だったので、サガンの小説も読みたいと思った。いろいろあれこれ”〜したい”と思うことが増えていく。当映画で驚いたのは、今はバラエティでも活躍している江口のりこが出ていたこと。とても若々しいので、最初は誰なのかわからなかった。彼女のヌードも一瞬でてくる。当映画は2003年の映画だからもう20年も経っているわけだ。 

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