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吾喰楽家の食卓

五代目円楽一門会(六代目を偲ぶ会)を見て 

2022年10月29日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

転んだことで医者へ行く破目になれば、昨日の予定は自重するつもりだった。
幸いなことに、時間が経つにつれて痛みは和らぎ、歩くのに支障はなかった。
昨日は五代目三遊亭円楽一門会の初日だったが、当初は見る予定は無かった。
六代目円楽が肺がんで亡くなり、その枠で一門会幹部らによる追悼座談会に変わることを知り、それを見たくなった

座談会を前に幕が下り、照明を暗くして幕が上がると、六代目円楽の高座姿が映し出され、古典落語「浜野矩随(はまののりゆき)」の大詰の口演が数分間流れた。
再び照明が点くと、下手側に竜楽(五代目弟子)と楽生(六代目総領弟子)、上手側に鳳楽(五代目総領弟子)、好楽(同二番目)、円橘(同三番目)が並んでいた。
竜楽の進行で、楽生の挨拶に続き、鳳楽が円楽との修業時代の思い出を語り始めた。

今回の目当ては、コロナ禍の影響で会えていない鳳楽さんの元気な姿を見ることだった。
師匠と生年月日が同じこともあり、銀座風流寄席の宴席で親しくさせて頂いた。
人のことは言えないが、頬の肉が少し垂れ、年相応になられたようだ。
円楽との思い出を話し始めると、その語り口は、人情噺の一節を聞いているように快かった。

鳳楽さんは、修業時代、二人して師匠から怒られた思い出を披露した。
とにかく、円楽さんは、若いころから知恵が働き、賢い人だったらしい。
好楽さんは、弔問で対面したとき、彼の穏やかな顔に驚いたそうだ。
最後の高座になった、国立演芸場8月中席の苦しそうな表情とは全く違っていたらしい。

出演者の顔ぶれが少し変わったことで、当初に予定した兼好ではなく、トリは師匠の好楽が務めた。
演題の「胡椒の悔やみ」は初めて聞く噺だが、「くしゃみ講釈」と同じ発想の古典落語だった。
場に相応しい噺を熱演して、ほぼ満席の客に受けていたが、変顔を多発する芸は余り好きになれない。
何れにせよ、8月中席と共に、今回の一門会は、私にとって印象に残る公演になることは間違いない。

合掌

   *****

写真
2022年10月28日(金)の国立演芸場(弔問記帳所・演題)

お礼
「転んだ翌日の食卓」に、拍手を有り難う御座います。この場を借りてお礼申し上げます。



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